大きな箱
設定|主人公:高校3年/リョーマ:高校1年
マネージャー|チームバラバラなのは管理人の好み


今日は待ちに待ったクリスマス。クリスマスといっても部室で盛大なパーティーをするくらいだ。
硬式テニス部の入り口には大きな箱がある。それは、メンバーがみんなかっこいいからだ。私はあまり思っていない…が。高校生とは思えないオーラを部員は持っている。
大きな箱の隣には、机がある。その上には私が準備しておいた部員の名前入りタグがある。直接渡すことは禁止にしてあるため、クリスマスプレゼントにつけてもらうようお願いしている。その箱に入れてもらえば私が纏めて本人に渡す。毎年恒例行事だ。
大きな箱を取り込んでいる最中に、リョーマに話しかけられた。
「ねえ、なお先輩、何してんすか?」
『リョーマか。この箱を取り込み中だよ。』
「ふーん。思ったんすけど、先輩ってお人好しなんすね。」
『なんで急に。』
「いや、何となくっす。先輩は、誰かにプレゼント渡したんすか?」
『何となくって。渡してないや。渡さないとだめだった?』
こんなに聞いてくるリョーマは珍しかった。少しちらっと見てみると、リョーマは帽子で表情を隠した。
「少し期待したいんで。」
『何に期待するのよ、期待するにはまだ早いよ。これからがお楽しみ。良い子はまってるといいよ。』
そっとリョーマの頭を撫でた。少し耳が赤くなったみたいだ。ちょっと嬉しくなりながら私は部室の中に入れた。仕分け作業を始めた。仕分けていくうちに今年は意外と衣類が多いことに気がついた。クラスの女子に聞かれて新しい服が欲しいらしいよって言ったことを忘れていた。何となくで言ったことが広まったけど。
結果、1番多いのが跡部を抜いてリョーマだった。少し複雑な気持ちになったから、リョーマへのプレゼントはなしにしておこうと思い、他の跡部や手塚、幸村、柳、甲斐、海堂には自分からのプレゼントも入れといた。

パーティーの時間になり、一人一人に仕分けたプレゼントを渡した。
「あれ、この袋見たことがないな。」
手塚が一番最初に口を開いた。その手に持っているモノは、私があげたプレゼントだった。次々に、同じ声があがった。

「俺には入ってないんすけど、それ。」
少し機嫌の悪いリョーマの声が聞こえてきた。柳には私がリョーマのことが好きである事はもう知っている。何処で知ったんだろう、不思議である。
「本人に聞いてみたらどうだ?」
柳が私に聞こえるように言った。
「は、柳さん…?そんなの無理っすよ、だってここに女子の先輩って言ったらなお先輩しかいないっすから。」
そうだ、リョーマの言う通りだ。気付かれないでくれ。このまま隠し通すんだ。
「ああ、そうだ。ここには、なおしかいない。そういう事だ。」
なんで、私の名前を強調するんだ。柳やめてくれ。

「あ…、そういう事っすか。」
げ、この顔は。気づかれてしまった。こっちに来ないでくれ、リョーマ。段々と近付いてくる。

「頑張ってね、なお。」
隣に居た幸村には今の流れから知られ、爆弾を落とされてしまった。幸村、解せぬ。

「ねえ、なお先輩。ちょっといいっすか?」
なんて、眼をキラキラさせながら手を引っ張られた。

隠し事はいけないと思い知らされた瞬間だった。


お題:サイブラリアンより
「隠し事」

連れて行かれたそのあとはご想像にお任せします。季節外れのクリスマス。
- 6 -
[*前へ] [#次へ]
戻る
リゼ