先輩と後輩
設定:主人公 マネージャー(3年)


「_鳳くん、付き合ってください。」

部活の準備をしていると、突然女の子の声が聞こえてきた。ちらりと建物の影から覗いてみると、女子に捕まっていた鳳を見つけた。本人の表情は、困っているようにみえ私を見つけると、先輩助けてください、と目で訴えてくる。溜息がでた。これで何度目だろうか。過去にも経験済みだ。
みんな助けると最初の方は、悪いからと言って高級チョコレートをくれた。疲れてる日々にはとてもありがたかった。
あ、そのチョコ美味しく頂きました。

3年が経つと、当たり前の様に助けて貰ってあとは練習に戻っていく。只の物欲しそうなマネージャーではないです。そこだけは強調しとくね。
私は溜息を吐きながらその場に行き、
『あ、ごめんね。今部活の時間だから、違う時間使って告白してね。』

それを聞くと大抵の女子は舌打ちをして帰っていく。帰り際に、ボソッと怖いこと言ってくる。お嬢様怖すぎ。

これが本当にきつい。景吾に言うと馬鹿にされるし、侑士だと笑われるしで君たちモテるのに何故分かってくれないんだ。がっくんとかには、どんまいって慰めてもらうけど。流石、がっくん。

さっき、普通に女の子を追い返してしまった後鳳のこと置いていったんだけど大丈夫かなと心配になり一旦引き返した。見てみると、地面に体育座りをしていた。君の綺麗な脚が汚くなるぞ、なんて言おうとした。笑って言う場面ではないことが空気で感じ取れた。
鳳の近くによって声をかけてみた。

『鳳?』
「…あ、なお先輩。さっきはありがとうございました。俺、凄く助かりました。」
『え、あ、うん。全然大丈夫だよ。助かってよかった。そろそろ行かない?』
といって立ち上がろうとした時に、腕を掴まれた。
『…!?』
「あ…、なお先輩、ずっと言いたかったんですけど…俺、先輩のこと好きです。」

驚いた。そんなの聞いたことがなかったからだ。私の返事がないことに少し焦っているみたいだ。
「あの、先輩のことそんなに追い詰めるというかなんというか、そう考えてはなかったんです。突然すみません。」
『あ、ごめん。突然の告白にびっくりしただけ。』
「先輩…」
私を呼ぶ声が心細く聞こえた。
鳳には申し訳ないけれど、中学三年の今誰とも付き合いたくない。マネージャーをやっている時点で、部員とマネージャーとの恋愛関係は作らないと決めていた。私なりの境界線だ。鳳を傷つけてしまわないように。
『鳳、告白ありがとう。嬉しかった。けれども、私より素敵な人見つかると思う。だから、その人を幸せにしてあげて。』
「…分かりました。なお先輩って自分の…いやなんでもないです。先輩よりもいい人が見つからなかったらまた告白しますね。」
と表情が良くなった。
『そっか。分かった、楽しみにしてるね。』


それから、卒業式に2度目の告白を受けることとなるとは思わなかった。



お題:サイブラリアンより
「境界線」

ココア男。聴きながらは、ダメでした。オチがしっかりしてない。鳳よ、すまない。
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