勉強してないよね
設定|主人公:マネージャー
幸村に知られないよう片想い中

今、私は苦痛だか幸運な時間を過ごしている。それは、幸村から直々に苦手な国語を習っているからだ。今回のテストで赤点をとってしまったら、部活ができなくなってしまうから仕方なく、だ。
国語以外の点数は、幸村と同じぐらいだ。いや、理科は多分幸村より取っているはずだ。しかし国語は、毎回アホみたいな点数をとっている。赤也よりも悪いだろう。皆が頭を抱える程だ。
遠回しの読みがどうも出来なくて単純な英語とかは簡単に読み解ける。

「なおは、どうしてなんだろうね。他の教科は秀でてるのに国語だけ。」
『わかんないよ。いや、どうして日本語ってそんなに難しいの。なんなのさ。わざわざ遠回しにいわないでくれてもいいんだけどさ!』
「ああ、そういう事なのか。」
(1回で理解する幸村が私は怖いぞ。)
『何がさ?』
「いや、なんでもないよ。それじゃあ、続きを始めようか。」

今一瞬、後ろに黒いモヤモヤが見えたような気がしたがそんなのはなかったことにしとこう。集中して解こう。


「なお、手が止まってるよ?」

幸村の声掛けでふと時間をみると、室内部の部活の時間が終わっていた。それ程集中していたという事だろう。

『あー、ここの言い回しが充分に理解が出来ないんだよね。何が言いたいのさここ。』
「え、見せて?」
『はいよ。』
「ふーん。なおって恋愛した事ある?」

突然何を言い出すんだ、こいつは。

『あるけど。恋愛と関係あるの?』
「いや、ないよ。え、誰と?」

ん、なんだ。こいつ、私が恋愛した事があるということに驚いているのか?私だって健全な女の子(と思いたい)だ。恋人とするようなことはしている筈だ。手を繋いだりとかそこら辺。某髪の毛ふさふさ野郎みたいな事まではしていない。健全だ。

『誰とかは言わなくて良くない?』
「まあね。只、俺が知っときたいんだ。なおってモテるからね。」

さらっと爆弾発言したよね。今絶対。

「言わないと何するか分かってるよね?」
『ええと、五感奪うんですね知ってます。何年同じクラスなんだよ。』
「三年かな。」
『何回も被害にあってるの分かってるよね。はあ、分かったよ、蓮二。』
「え…?柳?」

すごい驚いた表情をしている。これは、写真撮ってファンに売ったら幾らになるんだろうね。売らないけど。撮ったところで、多分幸村に弱み握られるから。(経験上)

『うん、どうしたの、そんなに驚いた顔してさ。そんなに私に彼氏いたことびっくりするの?』
「全然そんなことないよ。只、俺の予想外の返答だったから。」
『誰だと思った?』
「跡部とか手塚とかかなとって。」
『ああ、有り得たかもね。』
「告白されたんだ?」
『まあ、うん、成り行きでね。』
「俺がいない間にそんなことあったんだね。でも、今日からは俺の彼女だよ。」

待ってくれ、突然何を言い出すんだ。一度も告白されてないんだが。

「そうだね、伝えてすらいないよ。なお」
『あ、うん、怖いね。何も言ってないよ私。』
「声にでてたからね。」

幸村の表情が少し和らいだ。というか、一言で言うとなんか慣れない。多分この表情は、弦ですら見た事がないと思う。男だからね。

「なお、好きだよ。だから、俺と付き合って欲しい。」

顔は赤くならないで、耳が多少赤くなっていたのが見えた。私も今そんな感じかもしれないが。

『…っ。ありがとう、うん、よろしく。』

勉強のノルマは一応達成済みだ。
私が 幸村から精市呼びになるまで、何年かかるだろうか。


お題:サイブラリアン より
「勉強」

ピュアボ聴きながらは無理だった。
そして、幸村の柳呼びわかんないです。大目に見てください。
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