君の後ろ姿
主人公/高校2年|宍戸/高校2年

外部からきた私は、中々ここの雰囲気に慣れずにいた。中学時代、ソフトボールをやっていた為か顧問に進められて入部したのはいいが、やはり同じ価値観を持った人があまりにも少なかった。
1年たった今日でも仲のいい子は3人しかいない。ただ先日のクラス替えで偶然前の席だった宍戸亮という同じ価値観を持った男子生徒がいた。意気投合して仲良くなったのは嬉しかった。1歩前に進めたということでいいだろう。
部活何やってるのかと聞いてみたら、言いづらそうにテニス部だと言った。初耳だと伝えると逆に驚かれた。この学校に知らない人はいないらしい。
それ程人気な部活なのかと思って、知らないと何かあるのか と聞いてみるとなんでもねーよと少し間が空いて

「三浦今度見に来いよな。そしたら、分かるから。」

キラキラした笑顔で言ってきた。何となく後ろから奇声が聴こえたが、気にしなかった。

『お誘いありがとう、そんじゃあ部活無しの時に見に行くわ。』
「おう、楽しみにしてるぜ。」

なんて言葉を交わし、1週間が経った。
部活が急遽なしになった。このチャンスを逃してはならないと思って、友達を誘った。その子は、私が興味を持ったことに驚きながらも、潔く了承してくれた。

早速、テニスコートに行くと周りは女子だらけだった。ライブのような雰囲気だったから、場所を間違えたのかと心配になって地図を見ると間違ってはいない。
友達と男子ってすごいねなんて話していた。カサっと音がしたから前を見ていると宍戸が目の前に立っていた。

「お、ここにいたのかよ。三浦、もっといい場所があるぜ。着いてこいよ。」
『え、うん。』

宍戸に着いていくと、部室棟だった。

『部室棟から見えるの…?』
「跡部のやつが特別に許可してくれたんだ。お前らは、ミーハーじゃねぇからってさ。」
「ああ、、、大変だって噂で聞いたことあるや。」

友達の耳まで入っている事は、相当世間知らずなのか。ちょっと勉強しないとな。大変だ。

『知らないのは私だけなのか。それは、なんか困ったや。』
「ん、なんだ。俺の背中みて。なんか付いてたか?」

ずっと見ていたことに気付かなかった。一瞬魂が何処かに抜けてしまっていたみたいだ。

『いや、なんもない。部活頑張ってるなあと思ってさ。』
「ああ、テニス好きだからな。なお、今度テニス教えてやるよ。」

不意打ちの呼び捨てはびっくりしたが、本人は何も気にしていないようだ。私も平然と装い楽しみにしてると伝えた。

「ああ、休憩が終わるからじゃあ、楽しんでみてろよ。」
『ありがとう、宍戸。』
「おう、またな。」

部室から出ていく宍戸の背中をみた時に、この後ろ姿がかっこいいと思った。

それからの私は、宍戸の後ろ姿を追いかけていくことになった。


お題:サイブラリアン より
「後ろ姿」
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