山姥切の場合

(名前変換なし)

今日で、主が審神者になってから三周年たった。俺も極となった。

最初の頃は、書類に目を通していても寝てしまう主に心配していた。1枚目で直ぐに机に突っ伏してしまうほど重症だった。
だが、なれない仕事を一生懸命にこなす様子を見て主だったら歴史を守ることが出来るかもしれないと思う様になった。
主の手違いで、俺一人出陣する単騎出陣もあったが、あれはもう懲り懲りだ。俺以外、粟田口のやつらだけもあった。戦場で助けてやっただけなのに、俺に懐いてくる奴もいた。

今は、政府からお願いされて見習いを受け入れる程、優秀な審神者になった。たまにおっちょこちょいな部分もあり、長谷部に心配される様子を多々見かけるが。

今日主と話す機会が出来た。たわいもない話をしていた。
「主、いつもありがとう。」
なんて言葉を口にしていた。
そんな言葉を聞いた主は、一瞬驚いていたが、直ぐに笑顔になって
「国広がいてくれたからだよ。私が泣いた時とかそばに居て慰めてくれてありがとうね。」

泣いた時…
ああ、主がいつもの様に出陣させたが、タイミング悪く検非違使に当たってしまった時か。ぼろぼろになって帰ってきた刀剣男士達をみて、急いで手入れをし、寝かせたあと、一人で部屋に戻った。
少し様子が変だと思った俺は、襖をあけた。目に飛び込んできたのは、部屋の片隅で声を押し殺して泣いていた主の姿だった。俺はいつも呑気に笑っている主しか見てこなかった。泣いた様子を見たことがなかった俺は焦って兄弟に相談した。
そばに居てあげてと言われ、それを実践しただけだった。

「あれは、兄弟から言われた通りに実践しただけだ。俺は何もしていない。」

俺の返答に困った表情をした主だったが、

「それだけでも嬉しかったよ。国広も成長したね。綺麗だよ。」
「…っ。綺麗とか、言うな。それに、俺は成長していない。」

不本意に言わされたが、悪い感じはしない。それもまだまだ話していたい気分だった。まだ祝いの荷物が届くからか、話はここで終わった。

これからも戦いは続いていく。
鍛練を忘れずにしたい。

「主、審神者3周年おめでとう。これからもよろしく頼む。」

誰もいない部屋に放った言葉がこだましていった。
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