背徳
※無理矢理です。家康が黒いです。左近がかわいそうです。そしてかなり短い。
優しい家康をお求めの方と左近がかわいそうなんて嫌!という方はバックプリーズ!!
それ以外の方は本編をどうぞ。









「っ…!!ぅ…」
「…フ、声を出さないほうが辛くないか?」
「!!う、るせえ、よっ!下衆野郎が…ぁ、っく…!」


部屋の隅に灯っている火がゆらりと揺れるのが見えた。

(…ああ、違う。揺れているのは火じゃなくて俺の方か…)

徳川に捕虜として連行されて何日が経っただろう。一日中暗い部屋にいるせいか、時間の感覚がない。ぎりぎり襖に届かない長さで手枷を付けられているので、厠に行くにも家康か見張りの許可がいる。
部屋で虚空を見つめるか寝ているか。それ以外のすべての時間はこうしてこの狸に身体を暴かれる日々。


「っぅあ!!、〜〜〜……!!!」
「まだ堪えるか…流石三成が認めるだけの奴だ…よく躾られている」
「てめぇが、っあの、お方の名前をっ…口に、するな!!!」


自分の口から勝手に出てくる浅ましい声が嫌で、ギリギリと唇を噛み締め耐える。痛みを屈辱を羞恥を、切れた唇から流れる血で誤魔化す。


「っっひ、…っっ…!!」
「…もっと声を聞かせてくれよ、左近…」


助けを求めることなど許されないのは分かってる。あのときヘマをして陣を取られたのは俺の責任だ。三成様だって、こんな奴、帰ってきて欲しくないだろう。

そこまで考えて目元を伝う熱い何かに気づいた。家康に良いようにされるよりも、三成様の所へ帰れないよりも、あの人に必要とされなくなることが一番悲しい。


「っ…左近、出すぞ…!!」
「いっ、ぐ…っ!!!」
「っう…!!」
「くっ、ゥ、…ぁ…」
「……はぁ…左近…」


やめろ


「左近…」


やめてくれ


「早くワシを欲しがれ…左近」


あの人のために付けた名前を汚すな




汗や精に濡れた身体を清め部屋を出て行く家康の背を見やる。やがて襖が完全に閉まりきり、僅かに灯る火に照らされた手枷を意味もなく眺め溜め息を付いた。


「………みつなりさま」


汚れてしまった俺がどこまでも高貴な貴方の名前を呼ぶ背徳を、どうか許可してください。

そしてどうか、汚れても尚貴方に助けを求める俺を、許してください。


「…三成様っ……」



(助けて)





Fin.



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友人とLINEで妄想してたものをそのまま張り付けただけなのでかーなーり短い。そして左近がかわいそう…ごめんね左近大好きだよ!!!
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