日常が変態、何かとつけて破廉恥





「ありゃ。子宮頸ガンの原因の一つに性行為がある。」


景吾の部屋にあるキングサイズのふかふかベッドで携帯をいじりながらweb上の知識を言う私に、跡部は視線すら向けてくれない。
ずっと、手に持つ愛読書に没頭中。



「ねぇ、景吾。
子宮口に男のアレが触れるだけで危険なんだよ。」

景吾の視線を捕らえようと頑張ってたけど、一向に此方を見る素振りもなく、私の言葉は独り言と化した。
ベッドに仰向けに寝ころがって、仕方なく、独り言を続ける。
これは乙女にとって重大なお話なのだ。



「景吾いっつもギリギリまで突くじゃん。
だからあれ、もうヤメテね。」

気持ちいいけどさ、とこっそり呟いたとき、パタンと本の閉じる音がした。
お、読み終わったのかな?なんて思ってると、携帯画面のその先に、景吾がいた。




「勘違いしてんなよ。」
「何が?」

景吾の両手が私の顔の横に沈むのを感じた。


「奥までねだってんのは誰だよ」
「え?」

「お前がいつもねだるからだろ」

景吾が私の耳元に口を寄せる。













「もっと奥まで、ってな」













景吾は私の目の前で不敵に笑った。
もう、なんだろ、全ての動作が、やっぱりカッコイイ。
羞恥も忘れて聞き惚れた。
だから自分が、その腕を景吾の首に巻きつけていることに気付くまで時間がかかった。

あ、何してるんだろ。なんて思いながらも私は、自然と自ら景吾にキスをしていた。
触れるだけのキス。




「随分積極的だな。」


ほら、また不敵に笑う。
さっきとは比べものにならないくらい激しいキスを、景吾にもらう。
その後はもう、いつも通り、されるがまま。













(「知ってるか、子宮頸ガンってのは男性器についた細菌が子宮口に触れることで発症するんだぜ。」
「え、そうなの?」

「だからお前がガンになる可能性なんて皆無なんだよ。」
「そっか。いつもよく洗ってるもんね。」

「あぁ、怜香がな。」
「‥言うな!//」)

(2009.11.20)
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