おそ松さんネタ(転生?クロスオーバー的な)


死んで再び生れ落ちる前に、カミサマとやらに問われた。

"何色が好き?"と。

そして俺は何の疑問も懐かず答えた。

好きな色は 緑 だと。





……だから。とは必ずしも言い難いが、"毎回"置かれる自分の位置に、少なからず納得し始めている。


「?どったの?チョロ松。」

『…なんでもない。』

壁に寄り掛かり本を読んでいた俺の膝の上に頭を乗せていた長男のおそ松が、見上げながら声を掛けてきた。

全くこの男は微かな"揺れ"も見逃さない。さすが主人公。人間国宝だのカリスマレジェンドなどと自称する男だ。
まぁ確かにこの世界の"軸"であることは間違いないのだが。

「なんかあったらちゃんと言わないとダメだよー?お兄ちゃん悲しんじゃうよー?」

『くどい。…だが、敢えて言うのであればいい加減頭を退かして欲しいことくらいだ。』

「!それは却下!」

そう言って背中に腕を回し更に腹に顔を埋め、密着してくる。

その頭に手を乗せ、内心息を吐いて射し込んで来た光に促されるように窓から空を見上げた。



俺の名前はチョロ松。松野家六つ子に生まれし三番目。そのイメージカラーは 緑。
俺はある時寿命を終えてから好きな色を問われて此方、そのイメージカラーが強い人物に産まれて変わっている。

最初はもう忘れた。何やら戦うの為に産まれた宇宙人だった気もするし、髪が緑の歌姫と呼ばれた女性だった気もする。そしてこの松野チョロ松に産まれ変わる前は、戦国BASARAの毛利元就だった。

……焼け焦げよカミサマ。


生まれ変わる度常に命の危険が隣合わせだった。そして今度こそのんびりと暮らしたいと思えば、この松野チョロ松として生を受けていたのだ。


しかし、世にも珍しい六つ子という賑やかさはあったものの、希望通りのんびりとした時の流れだというのに前世の性というのか変な焦りを感じる事も多くあった。

今世の世界は"おそ松さん"だ。
この世界の知識は今までのどの世界よりもなった。世にも珍しい六つ子の日常とてもいうのか…。いうならばこの世界は"それ"だけのことだ。

如何に皆無事に平和に過ごせるように知略を練っていた前世、命が散る姿も多く見てきた。だからこそチョロ松として生まれ落ちた幼い頃"毛利元就"を引きずり、おそ松を含めた兄弟達と子供らしくない距離をとっていた。6人で1人。なんてまず"俺"では有り得なかったのだ。

しかし、俺を相棒と呼び誰よりも"兄"である長男おそ松。常に優しさを持ち兄弟達を支えようとする次男のカラ松。真面目で良い子の四男一松。頭が良く勘が鋭い五男十四松。立ち上がる力が誰より有りがながら寂しがり屋で甘えん坊な六男トド松。この兄弟達のお陰で、この世界に生を受け二十歳を越えた今漸くこの世界の穏やかさを楽しめているように思う。

…それに元より本来"俺は"こうだった気がするのだ。




サラ…

指におそ松の髪を遊ばせる。

他の兄弟達以上に、コイツは俺と二人きりだとこうしてよく甘えてくる。

「チョ〜ロ〜ま〜つ〜。俺のチョロ松〜。」

戦ではなく喧嘩のやり方を教えてくれたものこの男だ。

"俺のチョロ松"なんて子供地味た独占欲を隠さないこの主人公のお陰で俺は"松野チョロ松"になったのだ。


「ねぇ〜チョロちゃん。」

『なんだ。』

「今読んでる本も随分お高そうだけど…。また儲けたんでしょ?ちょっと貸して欲しいな

指で丸を作り媚びたような笑うコイツの顔に、一気に何がが冷める。


『…………断る。』

「ええ!なんでぇ!?」

髪を思いっ切り引っ張り上げた。

「イタタタタタタタッ!!痛いってチョロ松!!」

『…貴様、以前にもトド松に借りてなかったか?無論それを返した上で言っておるのだろうな?』


「!!Σ(゚Д゚)ヒッ!!」

我が愛する弟達を無下にするものは例え兄であろうと許さぬ。





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※転生特典としてそのキャラの力に加え"前世"の力が使える。
チョロ松に生まれ変わる前の毛利元就の力、つまり光の婆娑羅をそれなりに使える。毛利元就の際は歌にも人を惹きつける力があった。

…みたいな。軸はおそ松さんで色々。


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