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[80] 生還A
By 猪熊
11/11/25 19:01
一瞬の静けさを感じた…
目を開けた瞬間ここがどこなのかもわからなかった。
右手に携帯を握りしめていた。
携帯には着信とメールを知らせる緑色の光が一定の間隔をあけて点滅している。
[生きてたんだ…]
ほっとしたのも束の間、この闘いが終わっちゃいない事を知らせる鋭い痛みが俺を現実に引き戻した。
倒れた場所が濡れている。
おびただしい汗で身体中が湿っている。
失禁もしていた
左手の爪は恐らく絨毯をかきむしったのであろう…
毛玉がこびりついている。
夜になっていた。
今回は生半可な出来事ではない事を実感した。
とにかく部屋を出て病院にいかなけりゃって思った。
意識が戻ったとほぼ同時に倒れる前の凄まじい痛みが頭を駆け巡り始めた、
身体が動かない。
這うようにして浴室に向かった。
這いつくばりながらシャツや下着を脱いだ。
身体を綺麗にしたかった。
液体石鹸の蓋を取り身体中に振り掛けた。
シャワーのノズルをあけると勢いよく水が出てきた。
冷たい水が心地よかった。
お湯にする余裕もなかった。
シャワーの水音が雨音の様に聞こえた…
不思議と痛みが和らいでいってる様な気がした。
再び記憶が薄らいでいって失神した。
何時間たったのだろう…
身体中冷えきっていた。
先程の痛みはやや治まった様に感じた。
這うように浴室を出て真新しい下着をつけた。
まともには立って歩けそうにはなかった
財布と携帯をもって朝と同じ這いつくばう様に部屋の外に出た。
手探りで鍵をかけながら泣いていた。
もう帰ってこれないかも…って。
これが最後かもって…
転がり落ちる様にアパートの階段をおりた。
もう次の日の朝だった。

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