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[64] 中国旅行記[A]
By 猪熊
10/05/ 3 19:29
飛行機は韓国上空から中国大陸に入った様である。
抜ける様な青空は微妙に薄茶色が混じりはじめた。
黄砂である。
この黄砂が気流に乗って日本やアジアの島々迄届くのかと思えば感慨深いものがある。
飛行機は定刻通り北京国際空港に到着した。
日本との温度差は殆んどなく時差も一時間位、私達は間もなく会えるてあろう万君の顔を想像しながら入国出口に向かっていた…つもりで あった。
何せ広い。
やみくもに広いわけではないのだろうけれど…
世界一大きい国際空港である事は間違いないだろう。預けた荷物はなかったから後は入国手続きを済ませば晴れて万君との再会である。
空港の一画に外国人旅行者が沢山並んでいる。
恐らくここであろう私達は何の疑いもなくその列の一番後ろに並んだ。
列によって多少の時間差がが見られた。
担当者の仕事のスピードの違いであろう
私達の列の担当者は女性でいちいち丁寧で遅い様に感じた。
外国人旅行者の中にはあからさまに舌打ちする者もいる。
いちいち神経質そうにパスポートと顔を見比べ何度も確認している。融通の利かなそうな顔。
やっと私の番がきた
パスポートと旅券を出し、数分後には北京で万君との再会を常務と分かち合うのだ…
その時点では間違えて出国出口に並んでいたらしいとは気付いてなかった。
担当者の女性は早口の中国語で何か言った。
わからないから英語で言ってくれと返した。
首を傾げながら担当者は訛りのある英語で何か言った。
今にして思えば出国と入国を間違えただけなんだから機転の利く人なら察してくれただろぅに…
後から聞いた話だが数年前北京空港でテロ未遂事件があったそうでその時のテロリストは北京空港に爆弾を仕掛け直ぐに出国しようとして怪しまれ事前に捕まったそうだ。
そんな事は露知らず一向に埒があかないやり取りにイラついて…君[担当者]じゃわからないから上司を出せみたいに凄んでたら本当に上司[軍服]が来ちゃて…
後ろで待ってる常務にしてみれば何事が起きたのか…ってくらいの混乱ぶり。
中国語と英語と日本語が入り乱れて収拾がつかない。
軍服は増えて来ちゃうし…
常務が荷物をそこに置いて日本語のわかる人を探しに行ってくれた。
その間身動きすら出来ない…
私の風貌ってそんなに怪しいか…って自己嫌悪。
こいつらよっぽど暇なんだろうか。
ほどなく常務が誰かを連れて戻ってきた
[次回に続く]
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