悪ノメイド

悪ノメイド






教会の鐘が鳴った時に私たちは生まれた。


祝福するしてくれたのは王や王妃たち。



すべて幸せだと思ってた…。
そう、この時までは…


だけど、王は双子だったことと、私が女に生まれてきたことが気に入らなくなってきたみたいで、
ちょうど私たちが4歳ぐらいになるころにある日王は言った。


「サトミをメイドにして、クロを王子にする」と


それを聞いた王妃は
「そんなの勝手すぎます。どうか考え直して下さい。」

しかし、
王妃の声は虚しく王の考えは変わらなかった。



そして王妃は王についていけないと考え、
一人この国を出て行った。



その10年後に王は死んで今になる。
ただ生活で変わったことと言えば、
クロが王子から王に変わったこと。





「なあ、サトミ。今日のおやつは何んだ?」

「今日は、王の大好きなブリオッシュですよ。」

「そうか。」

王は笑う。
無邪気な笑顔で。
その笑顔で笑ってて、
私はそれだけで幸せだから…。





私は隣国に出かけた。
クロに買い物を頼まれたから。



買い物が終わって、
帰ろうとした時、


「なあ、ねーちゃん、ちょっと遊ぼうや。」

「止めて下さい。」

私は困って助けを呼ぼうかどうか迷っていた時…



その時緑色の髪した彼に出会った。

「彼女困っているじゃないですか。止めてあげて下さい。」

「…ちっ」





「…ありがとうございます。」

「当然のことをしただけですよ。ケガとかはしてませんよね?」

彼は笑いながらそう言う。


「はい。」


この時、私は彼の優しい心と笑顔に私の心がひかれていった。


「じゃあ僕はこれで。」
「本当にありがとうございました。では私も帰ります。」


次に買い物に行く時が楽しみになった。


でも…、
その楽しみも消えることとなる…




ある日クロは大臣を呼んでこう言った。
「緑の国を滅ぼしてこい。」


そして大臣が出て行った後私にこう言った。
「サトミも行ってくれるよな?」


「…はい」

私はクロのためなら悪にでもなれる。



だけど…
目から流れだしている涙はなんだろう…?




そして私は緑の国にやってきた。
あの時とは違って、
まるで地獄のようになっていた…


私は急いで緑色の彼を探した。
そしたら彼は森にいた。
ーガサ
「誰ですか?そこにいるのは!?」

「私です」

「あの時の…この国は危ないから逃げた方がいいですよ。」

「ごめんなさい…この国を襲えと言ったのは私の国の王なんです…」

「なんだって!?」

「本当にごめんなさい」
「…でも悪いのはあなたじゃないから謝んないでください。」

「…」

「一つだけお願いがあるんですけどきいてもらえませんか?」

「…なんですか?」

「ここにある短剣で僕を殺してほしいんだ…」

「…!?なんで…!?」

「この国のみんなは死んでしまったのに僕だけ生きているのは嫌だから…お願い…」

彼の必死なお願いに私は、
「わかり…ま…した…」
「泣かないで、こんなお願いをした僕が悪いんだから…でも最後に好きな人に殺してほしいんだ…」

…!!

「私も好きです。」

「良かった。僕たち両思いだったんだ…幸せだよ」
そういいながら彼は短剣を手にとる。
そして私にわたす。

「君の殺したい時に殺してくれ」

私の手は震える
それをきずいた彼は私の手の上に手をかさねる。
「…僕が合図をするからそのときに刺してくれ」
そう言った後、彼は私にキスをした。
私はこれを合図だと思ったから彼を刺した。

「これで良かったんだ…幸せだよ…ありが、と…う」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…」

その日城に帰っても
涙が止まらなかった…





つづく
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