other side of the heart
夜の帳が落ちてきて
吸い込まれそうなほどの暗闇の中で
僕は時々考える 生きる 事について






生まれた時から遅かれ早かれ
死ぬことは決まっているのに
なぜ生きるのだろう。




人だけではない 生あるものみな死ぬのだ
モノだってそう
その役目を果たせば死ぬ。



今ここで僕が息を止めてみても生きている

生とはなんと曖昧なものなのだろうか




結局悩んだ所で答えなんて
出ない事も分かっている。




だけど考えずにはいられない
頑固な性格がそうさせるのかもしれない。



僕の心にある砂の城は脆くて壊れやすい
何度も 何度も 取り繕って 生きてきた
自分すらも騙して………。



時々それに酷く疲れてしまう
そんなことをしても無駄なのだと



思い知らされる時がある
残るのは消えてしまいたいという思いだけ





もしも、僕の心や頭がもう少しだけ
柔軟だったならば
こんなに冷たい闇の中で
埋もれることも無かったかもしれない。



出来ることならば誰にも迷惑をかけずに
知られずにひっそりと朽ちていきたいのに
それすらも出来ないことがもどかしい。




だけどノイズがかった視界の向こう側から
誰かが僕を呼ぶ声が聞こえる




その声は酷く懐かしいような
でもとても暖かくて落ち着く声だった



闇に呑まれかけて1人では
息もできない僕を救ってくれた
ただ一つの声






もし少しだけ願ってもいいのなら
わがままを言ってもいいのなら



この声の人とずっと居たい
そんな風に思った。




君はこんな情けない僕でも
いいの と言ってくれた。
何もしてあげられないし
なにも残してあげることも出来ない。







だから………







こんなずるい僕を許して欲しい…




いや 許さないでほしい…






君がこれから生きていく中で
時々思い出してくれれば
それで僕は幸せです。
たとえ隣や近くに僕がいなくとも…






ごめんなさい……
半分は本当で半分は嘘です。




今からでも遅くはないのならば
頑固な考えを少しだけ
変えてもいいのかなって……。
いきなり変えるのは難しいけれど




ゆっくりとその中でも君といられたら…。





そしたら君と一緒に生きてもいいかもしれない。
そう想えるようになりたい





君は僕を変えた人だから
いつか胸を張って君に心からの
想いを伝えたい。




あなたがいてくれるから
きっと僕は今生きていけるのだと思う。



- 5 -
[*前へ] [#次へ]
戻る
リゼ