2人

シンオウ地方のとある山道。黒髪の少女と白髪の男が地図を拡げながら途方に暮れていた。地図は古いもので、全く当てにならないことを2人は知る由もない。

「ねぇ、ヴァイス、本当にこっちでいいのかしら?この地図だとマサゴタウンについてもいい頃らしいけど」
「馬鹿野郎、アリス。お前が見てる地図は反対じゃねーか!」
「あら…本当」
「ちょっとその地図見せろ。…マサゴタウンからかなり離れフタバタウンっていうド田舎に向かっているな」
「どうしましょう!今日中にナナカマド博士にお会いしたいのに」

時刻は夕暮れ。先程まで穏やかだった森は一変し、アリスとヴァイスを拒むようにどんよりと薄暗い。ヴァイスは頭を抱えた。アリスに地図を任せたのはヴァイスだった。

「もうすぐ日が落ちる。急ぐぞ」
「うん」











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リゼ