敬愛



※原語版シーズン3トレイラー後の捏造。注意。
※実写主人公と少し繋がっています。










ジッと一点を見つめる視線。それはとても小さく、煩わしさはない。だが非常に熱がこもっていることくらい、いくらショックウェーブでも理解できた。

「何の用だ?」

初めて声をかけられたユズは背筋をピンと張り直し、行儀良く数メートル先で座っていた。

「いっ、いいえ!いいえ!何も。お気になさらず」

「ショックだ。気にしてなどいない」

「そ…そうですか」

珍しい生き物だと、大きな赤い目はしばらく彼女を観察した。指を付き合わせたり、組み合わせてみたり、目をそらしたかと思えばチラリと視線を投げて寄越したり。落ち着きがない。

地球の人間のような脆い身体をしているが、中は強靭な金属で完成され、飛躍した身体能力を持っているらしい。だが、これ以上の細かいことは聞いていない。大して興味がなかったのだ、今までは。一体なぜメガトロンはこのような軟弱な生命体をここに置いているのか。

すると、見られていることを意識したのだろう。またすぐに俯いて、膝をかかえてしまった。

「ごっごめんなさい、私の尊敬する科学者に、とっても似てるもので。そばで作業を見てるのが好きなんです。邪魔はしませんから、もう少しここにいてもいいでしょう?あっ!でも存在すら邪魔だっていうならショックですけど退散します」

実に無駄話の多い生き物だ。
だがショックウェーブは僅かながら興味を惹かれ、ユズに近づいた。

まず、手を伸ばしてみる。頬は柔らかく、白い皮膚は見るからに薄そうであり、爪で引っ掛けばすぐ傷がつきそうだ。しっとりと震える瞳には、一体どんな世界が見えているのだろう。白黒か、カラフルか、それとも単色か。

指先の動きは実に滑らかで、唇もよく動く。だが緊張しているのか、身体は終始強張っている。

「なんでしょう?」

「…いいや」

もう少し観察していても良かったが、時間の無駄だということに気がついた。それに、別に今でなくてもいい。
ショックウェーブは体を翻した。

「好きにしろ」

ユズはキュッと拳を握り、一度唇を結んでから「はい」と大声で返事をした。









「どうしようスタースクリーム、声かけてもらっちゃった。ああまだ落ち着かない」

「こんな時だってのに呑気だよなあお前は。あんなでかい堅物おばけのどこがいいんだ?」

「えっ、それ聞いちゃう?しょうがないなあ、まずね…」

「いいややめろ!長そうだ、聞きたくない。」


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