独占の優越

「あっ、あ!あ」

断続的な喘ぎ声はとどまることを知らず、聴覚を塞いでしまいたくなるほどであるがそれもしない自身を恨めしく思う。

「メガトロンさまあ!やめ、も、ああっ!おく、奥にっ」

「やめてほしいのか?お前が悦ぶからこうしてやってるというのに」

「ひっ、んく、あ、うっ」

戦艦の廊下で事に及んでいることに対し、やはり羞恥はあるのだろう。(こちらとしてはそんなことより、まさか相手が我がリーダーだということの方が驚きの事実なのだが。)

口をついて出る溺れそうな声を必死に堪えようとはしているが、そんな抵抗も虚しいものでしかない。

壁に押し付けられ、両足を抱えられ、立ったまま挿入されているために、否応無しに最深を突き上げられる。
何度も意識をつなぎ止めようと、彼女が強く自分の指をきりきり噛み付いている光景が目についた。

「ならばもう少し、自分でも努力してみたらどうだ」

その言葉を受け、ユズは迷いながらも唇を寄せて、彼の胸元にキスをした。時には赤い舌をみせて、彼女なりの精一杯の奉仕は僅かではあったが、メガトロンは満足そうに目を細めた。

以前よりも体が大きくなったといえど、壁とメガトロンの間で丸くなっているユズはやはり小さい。それがあんなに強く激しく揺さぶられているのだから、いつ壊れてしまってもおかしくないようにも見えた。

「それだめ、っめがとろんさま」

「くっ、よく、締まるな」

「あ、いやあ!奥、えぐらないでっくださ、へんなとこ、あたって」

「もう少し…素直に言えんのか?良いのだろう、こうされるのが」

「んんっ!あ、あっ、あ」

意識を投げ出してしまいたいと、思っているのではないだろうか。だがそれは彼女のプライドが許さないはずだ。

考えなしに見えるくせに、信念にそぐわないことにはなかなか首を縦に振ろうとしない。逆に噛み付いてくることさえあるような、そんな女なのである。

「だめだめだめっまた、っあ」

「またか。何度目だ?」

「も、ゆるしてっ!めがとろんさま、はやくっ、はやく、だして、おねが、っ」

「!…はっ、まったく、大した奴だ」

急かすような動きにユズはあっさりとのぼりつめ、一際高く、そして短い声をもらすと、ビクリと大きく体を震わせて果ててしまった。

一滴も零れてしまわぬようゆるく何度か突き上げてから、メガトロンはユズの耳元で何か囁いたようだが、こちらにそれが聞き取れるはずもなく。同時に、ぐずる子供をあやすように抱き寄せ、先ほどよりずっと体が密着する形になった。

そしてちらりと、彼の赤い目が、こちらを見据えたのだ。楽しそうに笑い、その行為を見せつけるようにして。

我が主は、こちらにずっと気がついていた違いない。身震いして、そっとその場を立ち去った。自分と同じ型がたくさんいるのだから、恐らく自分を特定されることなどないだろうが(あの暴君にいちいち見分けなどつくとは思えない)それでもしばらくはなんとしてでも距離をおきたい。

もう二度と好奇心は起こすまいと、その時固く誓わずにはいられなかった。
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