日常
リラは思った
「たい焼きを縦に割りたい。」
ゼシカは持ってたたい焼き(こしあん)を口に含むのをやめて見つめた。
「それアリかもしんないね。だけど難易度高くない?」
たい焼きは先ほど焼かれたばかりのアッツアツのほっかほかである。
しかもゼシカのは漉し餡だからいいがリラのはクリームである。
クリームなんてあんこより流動性があるんだから無理ゲーである。
しかしリラの目は輝きに溢れていた。
そしてクリームたい焼きを手にしたままずいっと近づけてきた。
「なんでこの線あるか知ってる?」
ちなみにこの線というのはみなさんご存知のたい焼きを縦持ちしたときの線である。
「そんなんくっつけるためじゃ「そうです」
「…」
「もともと二つだったものを一つにしてしまったなら、元の形も人間である私の役目だと思うの。だから私決めた。やるわ。」
「…好きにすればいいじゃん。」
ゼシカは呆れて自分のたい焼きを頬ばった。
少しさめてしまったけど美味しい。
このパリパリやっぱ外で食べるのが一番だ。
「うえぇ…」
リラの変な声が聞こえたほうを見ると手首にクリームがたれまくってた。
これは熱い。やばい。
「だからやめとけって言ったのに」
「うう…次回は三枚卸するんだから…」
「三枚?」
「皮 クリーム 皮」
「…」
/オチ無いよ!\
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