ついったログ


ついったの方で上げていた文章とか文字の詰め合わせ。うちの子とか創作とかNLとかです。上の方が新しい。
―――――――――――


【灰緋】
どうやら灰李の膝を借りて眠っていたようだ。本を捲る僅かな音を感じ、夢うつつのままゆっくり瞼を上げる。「……」「起きた?…緋永?」「、ちょっと考えてた」「ん?」「わたしいま、とてもしあわせだなあって」そう伝えると一瞬不意を突かれた表情の後、そう、オレも、と灰李は微笑んだ。



【灰緋】
舞い始めた白が辺り一面を埋め尽くす。雪が酷くなる前に戻らないとな。はあ、と手に息を吹き掛けたところで、隣に並んできた人物へと僅かに視線を向ける。「風邪引かないでよ緋永」「迎えにきてくれたのか?」「それ以外になにがあるっていうの」はあ、彼の吐き出した息も真っ白だった。



【創作】
世界から見た君が過去になった、時間が経過して、今この瞬間が過去へと漂流していく。崩壊と再生は緩やかに始まった。君という世界の一部の消滅と引き換えに。
( 君のいない世界なんて )
最期に見せた彼女の柔らかい微笑を、僕は忘れない



確かに大切なものを失った筈なのに、それが何か思い出せない。譬えるなら、ぽっかりと胸に孔が空いてしまったかのような虚無感。喪失感。いつも一緒に居たのにその存在を忘れて、いつか、その痛みが解る時がくるのだろうか
【訳】気付いたら携帯ストラップが紐だけになってたんだが何がついてたっけ



君達が好きで好きで仕方なかった、だから僕は僕のやり方で君達を守りたかった、ただ、それだけだ。「たとえ世界が敵に成ろうとこの心は変わらない」一瞬にして見えていた物全ての輪郭は失われ、周りの色との境は滲んでぼやけた。「君が忘れていても、僕は覚えているよ」



【創作/うちの子】
「ねぇ、ひとつ教えてあげる」所謂"心"の病は人間の身体に影響を与え、所謂"身体"の病は心に影響する。人の全ての感情は何らかの身体上の表現を伴う。即ち、その身体上の変化が、そのまま感情として解釈されるということ。「だから心と躯を乖離して考える事なんて出来やしないんだよ」



≫NL。秋未。境界の彼方で『嘘なら尚良い』をお題にして140字SS

夢を見た、栗山さんが僕の前から居なくなる夢。朱色の差した美しい夕焼けの中で、彼女は泣きそうな顔で僕に微笑む。「さよなら、」手を伸ばした瞬間もう見えなくて、確かに居た筈の体温は吹いた風に掠われて消えていた。(夢なら、嘘なら尚良いのに)それは君を喪くした現実だった



≫NL。秋未で『こたえはここに』をお題にして140字SS

彼が彼でいてくれるなら何だって出来る気がした。理由など、唯それだけだった。「栗山さんは僕のために死ぬのか?」「わ、私は…私は先輩のために生きたいです、一緒に、生きたい」はらりと流れる一雫。震える彼女の身体を抱き締めて、伝わる温もりを実感する。「そう、僕もだよ」(こたえはここに)



≫うちの子。灰緋で『こっちへおいで』をお題にして140字SS

ソファーでうとうと微睡んでいたら、ぼんやりした視界に灰李が入ってきた。ソファーがやや軋んだ音がして、隣に座ったのだと遠くなる意識の中で思う。「こっちへおいで」身体を引かれ重心が傾いて、ぽすんと頭が落ちたのは灰李の膝の上だった。「おやすみ」優しく頭を撫でる、心地好い、眠る前の幸福。



≫創作。『君のまつ毛』『冷たい視線』『指先の温度差』で140文字以内

「貴女なんて大っ嫌いです」いつも僕に冷たい視線を寄越す瞳は今は閉じられていて、君の長い睫毛だけがその周りを美しく縁取る。「ねぇ、君は今どんな気持ちでいるのかな?」自分と、温かい、触れた指先の温度差から、嗚呼、やっと君が僕のモノになったんだと実感して【ビスクドール、柩に囚われた荊】

 




戻る
あきゅろす。
リゼ