うっかり巻き込まれた女の子(脱色)



「君、僕の姿が見えるのかい」
「え?あ、す、素敵な眼鏡ですね!」

夕陽がオレンジ色に染める路地、学校の帰り道。突然目の前に現れて、ここ最近よく視る奇妙なでかい怪物と物騒な刀を振り回してどんぱち始めてはあっさりと倒して終わらせた黒い着物の人は、どうやら私に興味を持ってきたらしい。

「君は、さっきみたいなのとはよく遭遇するのかな?」
「えっと、近頃割と…」
「そうか」
「あの、貴方は一体、」
「僕のことは今は良い。後で詳しく教えてあげよう」

それより、と言葉を区切って、今度はその端正な顔がぐい、と近付いてきたものだから思わずどきりとした。

「どうやら君には力がありそうだ」
「力…って霊感のこと、ですか?」
「君のそれは、霊感という言葉に留めるには少々凶暴だがね」

そう言うと、す、と右手が差し出された。きょとんとしていると彼はふわりと微笑みその手で私の手を引いた。後から考えてみても、その時の私には選択権というものは与えられてなかったと思う。

「僕の名前は藍染、藍染惣右介だ」
「、私は―――」

いつもと何一つ変わらなかった学校の帰り道、その人と出会って私の日常は非日常へと変わった。それから私が壮絶な渦中に引きずり込まれる羽目になるのは、また別の話になります。



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うっかりしてたら巻き込まれて振り回されていく系のお話が書いてみたいなあと思った末の産物でした(*´`*)一人称での主観的な書き方って夢っぽいですよね。今更ながら思います。
 




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あきゅろす。
リゼ