Ｌips
※酒絡み裏注意
首筋を通る冷気に凍えながらポケットに手を突っ込んだ時。
「あ、リップクリーム。」
この乾燥した季節。
何だかんだでリップクリームを所持しているのがクセになってきた。
まぁ赤切れして地味に痛いのも嫌だし。
男子ともいえど、それなりには気にしている。
が、いつもならあるはずのリップクリームが今ポケットの中に入っていない。
「…困ったな。」
ジョットが泊まっているホテルは間近。
今から買いに行ったら心配するだろうし、それにこの辺りで薬品を売っていそうな店もない。
「ま、いっか。」
綱吉は諦めてそのままロビーに入る。
湿気が無くて空気が潤っているビップルームに滞在中なんだから、それ程気にすることではないだろう。
＊
「あﾞぁあああー。」
しかし時既に遅し。
上唇が何げに赤くなっている。
ロビーのトイレの鏡の前。
眉を寄せながら綱吉は鏡に映っている自分とにらめっこをしていた。
この地味な痛さが気になってしょうがないんだよなぁ。
「…………。」
唇に添えていた手を止める。
そしてこの後に起きるような気がする自分の状況を予知してみた。
唇が赤い。
ということは絶対ジオに何かを言われて傷口を舐められるだろう。
いやいや、現にこの前指を紙で切った時にジオが傷口を舐めたから断言できる。
だがよく考えれば今回は唇なので、舐める＝キス＝ディープ…になるであろう。
うわ乙女チックで少女漫画によくある展開。
「あんまり良い思い出じゃないのに。」
ちなみにその後、指を舐められるたびに体がビクついて。
…結局最後までやった(というかやられた)
結論的に、ジオはストレスで性欲が溜まっている。
だから処理をする暇もない。
そんなとき、俺が来たら自分が大惨事になるというわけで。
「……はぁ、」
結局、
今日も腹を括って行くしかない。
「あー、
想像できちゃうのが恐いな。」
ぶつぶつと予知をしていたら、いつのまにやらジオの部屋の前。
本当に襲われたら自分の超直感を呪いたい。
「ジオー。」
ガチャリとドアが開いて、目の前に広がる夕焼けに染まる光景を見る。
グラスの反射。
少し冷たい風。
思わずうっとりしてしまう程の綺麗さに気をとられて背後の気配に気付かなかった。
「ツナ。」
「ぅ、わｯ？！
ちょ、じ、ジぉんっ」
素早い。
手際の速さは尊敬してしまうが、今はそれどころではない。
振り返ったと同時にキスをされて驚いていた。
何より先程の予測が最初から外れてしまって。
「んｯ！
んーｯ、ぁん‥んｯ！」
「ツナ‥ツナ。」
急かしているのか、ジオは綱吉のズボンに手をかけて思いっきり性器を握った。
突然の快楽に、綱吉はキスをしながら耐える。
このままではここで射精をしてしまう。
「ゃ…あ、はｧんｯ」
「ツナ……。」
さっきから自分の名前だけをつぶやくジョットに疑問があるけれど、熱い吐息から理解できるアルコールの成分に納得がいった。
上下に強く扱がれて、綱吉の幼いペニスは顔を出し始める。
先端からは先走りの精液が滲み出てきた。
「ジォｯ
ベッ‥ドに行きたぃ、んｯぁ！」
「辛いだろう？」
もういつ射精してもおかしくない自分の性器を覗く。
と同時にぐにゅりと先端を刺激されてビュッといきおいよく出てしまった。
そして顔にもかかってしまう。
「ゃ、顔にｯ」
「もう少し我慢してくれ。」
ちゅ、ちゅと顔中にキスをすると、すぐに綱吉の性器が勃ち上がる。
本当に敏感すぎる自分の躰に嫌気がさすかもしれないが、ジョットのペッティングは気持ちいい。
現に、ひくひくと動き始めている後孔は限界の証拠なのだから。
ジョットは綱吉の躰をその場の大理石で出来た床に寝かせる。
すると冷たいと躰をくねらせた綱吉の色気に負けたジョットは、ごくりと生唾を飲み込む。
「ツナ…。」
「…ﾝ…、んｯ」
キスのし過ぎて赤く染まる唇を近付けて激しく壊したい。
少しだけ精液の苦みはあるが、誰のものより甘かった。
―――――‐…‥‥
「何で酔った勢いでやるのさ。」
「いや、酒というのは恐ろしい飲料だとわかった。」
「腰痛い。」
「ああ、悪いな。」
ソファの上。
ジョットが心配して綱吉の腰を擦ってやると、躰がピクピクと反応しはじめる。
自覚はないが、そんなに厭らしく触れてはいない。
「だからお前は…。」
「ん‥。」
セカンドステージに入るキスは難なく受け入れる。
きっと唇は傷跡と同じ赤くなっているんだろう、ベッドで押し倒されながら思った。
こんなに心奪われた
All of You
KAT/TUN曲お題にて更新作品。
０８,１１/０９[完成]
０８,１２/２９[更新]
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