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※夫婦パロ





「ツナ、おい。」

「…………。」

「何があと5分だ。
指で示していないで早く起きろ。」

朝食は作ってあげる、
そう宣言した綱吉は最近料理を頑張って勉強していた。
だがしかし、本人は朝に弱い。
低気圧が接近するともう最悪で、体調不良により家事は全てジョットに任せている。

そして今朝は既に30分も寝坊。
さすがに甘やかしすぎだと思ったジョットは、綱吉をどう起こそうかと考えていた。




「ンぅう……、」

「無駄に色気づいてないで目を覚ませ。」

「…………。」

「…………。」

「…スー………。」

「…………。」

こいつ、一回しばいてやろうか。

空腹によりイライラが頂点に達したジョットは、綱吉を起こすべく色々と知恵を働かせる。
そしてジョットは閃き、とりあえず綱吉の体を抱きかかえた。
それでも起きる気配がない綱吉は、ジョットの首に腕をまわしてバランスを保つ。
そして寝た。




「‥どこまでも呆れるヤツだな。」

何故こんなだらしない人間をパートナーに選んでしまったのか。
ジョットは最近そんな事を考えてしまい、綱吉への好意が本当にあるのかと自問していた。
これで「お前の一方的さに疲れた。」と言って別れるのも手段かもしれない。




「……………。」

「…スー……スー。」

そんな事をしたら泣くだろうな、コイツ。

いざ泣かれると弱いジョットにとって、綱吉は最大の敵でもある。
考えられた手段は更に面倒くさい事態を招くかもしれないので、早々に打ち切った。




洗面所についたジョットは、口臭を抑えるタブレットを自分の舌の上に置いた。
そのまま綱吉にキスをして、上顎や歯茎など万遍無く行き渡らせる。

さすがの綱吉も、この状況では起きる。
段々と気持ちが高ぶってきた綱吉は、目覚めのキスという少女漫画のような展開に酔い痴れていた。

やがてタブレットが溶け、残った唾液をお互い飲み干す。




「…はぁ……はぁ、」

「……っは、」

本当、いきなりなんだから。

ジョットの肩に顎を置いて、そのまま綱吉は寝たフリを演じた。
理由はあまりジョットから受けたことのないキスを、もう1度だけ感じてみたいと思ったから。
綱吉は期待を胸に、静かに目を閉じて待っていた。

一方、ジョットはコップに水を汲み口に含んで再びキスをした。
言わば口移し。
ロマンチストな綱吉にとって、それは極上の体験だったと思う。
たとえそれが、どんな場合であっても。




「ッッッ!!!!」

「っ‥キツいな、」

「最ッッ低!!!」

「言っておくが…俺も相当ダメージが大きいぞ。」

「口ん中、かっっらいんですけど!!」

「当たり前だ。
お前を起こすためにしたんだからな。」

「雰囲気打ち壊したっ」

「起きないお前が悪い。」

ミント味の口内に水を含めば、それはそれは爽快な気分になるだろう。
一気に目を覚ました綱吉は、涙目になりながらも水を飲んだ。




「あーもう‥。」

「目、覚めたな。」

「嫌でも覚めます!」

「今度起きなかったら本気で手を出すからな、覚悟しておけ。」

「じゃぁジオが寝坊したら俺が叩き起こす。」

「できるものならやってみろ。」



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