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※学園パロ注意






学校で評判の高い人間のパターンは大きく分けて2つ。
外見が良いか、中身が立派か。

さらに外見に関しても人気者は2つのパターンに分けられる。
それはカッコいいか可愛いか。

普通カッコいいのは男、可愛いのは女だった。
しかし今となっては、どっちも女だったり男だったりする。



そして俺の学校では、どっちも男という状況になっていた。










Youth Thief!!













「今日は隣のクラスの…ほら、髪の長くて眼鏡をかけた。」

「図書委員の女だろ。」

「そう!
テストでジオと良い勝負をするあの子に告白された。」

「へぇ。」

そう言って、ジオ改めジョットは参考書のページをめくる。
学校生活の中で、ジョットの昼休みはこれが日課となっていた。
友人(仮)である綱吉の話は、いつも何てことのない内容なので、ジョットは適当に相づちを打って聞き流す。

だが、ちゃんと話を聞いてもらえない綱吉には不服でしかない。
ジョットの態度に頬をプーッと膨らませて不機嫌になる。




「もうちょっと良いリアクションとれないわけ?」

「何故その必要がある。」

「だって告白してきた子はジオが好きな秀才タイプじゃん。」

「お前に嫉妬してどうする。
しかも俺の好きなタイプを勝手に決めるな。」

「じゃぁジオの好きなタイプって何なのさ。」

「さぁな。」

「意地悪ー。」

そう言って、綱吉は紙パックのジュースにストローを刺して飲んだ。
それを見たジョットは、自分も喉が乾いていることに気付く。
なので綱吉から分けてもらおうと、ジュースを取って飲んだ。

途端、周りがざわめく。




「…………。」

2人は男女ともに人気が高い。
ジョットはカッコいいし信頼できる、綱吉は可愛いから構ってあげたくなるとの評判だ。

現に今も、ジョットや綱吉の行動で周りがざわついてしまう。
なので本人からしたら昼休みだからといって下手な動きはできないのだ。




「じーおー。
俺のアセロラ返してー。」

「お前は特に、女からの人気が異常だな。」

「い、いきなり何の話?」

綱吉は頭の上にハテナマークを浮かべる。
対してジョットは綱吉の姿を見た。

大きい瞳に華奢な体、そしてニッコリとした綺麗な笑顔。
校内の女子からは「仕草の1つ1つで母性本能がくすぐられる」との評判だ。
だがジョットにとって最も不思議なのは、毎日のように告白されては断っているのに、綱吉は全く嫌われないことだった。




「……ふっ」

母性本能ねぇ。




「1人でニヤニヤしてどうしたの。」

「何でもない。
アセロラをありがとな。」

「げ…。
もう無くなってる。」

「意外と美味かったぞ。」

「俺、まだちょっとしか飲んでなかったのに。」

「また買ってくるんだな。」

「ッこの、」

人間バキューム、
とツッコミを入れようとした時、校内にチャイムの音が響く。
あまりにもタイミングが良すぎて、綱吉は思わず口をつぐんでしまった。

一方、ジョットは勝ち誇った笑みを見せつける。




「また次も宜しくな。」

「〜〜〜っ知らない!」





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