R:ON







「ジオぉお!」

「…どうした。」

「リボーンに殺される!
早く零地点突破で凍らせて!!」

「お前を?」

「ちッッがうわ!!」

いきなりドアを開けられたと思えば、本当にくだらない。
ジョットから読んでいた本を取り上げ、綱吉はすかさず抱きついた。




「何をした。」

「ちょっとしたドッキリを…。」

「自分でなんとかしろ。」

「手袋とられた。」

「あいつの弾は死ぬ気弾だろ?」

「実弾!
壁に穴開いたッッ」

「本気で殺す気だな。」

「だから助けてってば!」

「で、俺が得することは?」

「……………。」

「……………。」

「……………。」

「諦めろ。」

「悪魔ぁああッッ」

「ほら、早くしないとアイツが来るぞ。」

「‥‥‥‥くぅ。」

ジョットが喜ぶ事、といえば。




「お、俺を…好きなように使ってください。」

財産も権力も無いし、とりあえず働きます。

綱吉が言い終わる前にジョットは扉を凍り付け。
果てしない欲を持つジョットに、綱吉はとりあえず距離をとった。
だが逃げようとすればお仕置き的な展開になるかもしれない。
多少たじろいで、窓のあるところに非難した。

いや…自分で言っておいてアレだけど、一応非常口を…。




「何故逃げる。」

「せ、正当防衛だから!」

「お前も凍るか?」

「い・や!」

「ならば書類を手伝え。
お前は印を押すだけでいい。」

「え?!」

「……何か?」

「いや…何でもない、です。」

2人いればいちいちペンから印鑑に持ちかえなくても済むし、早く終わる。

言われるがままに書類を持たされ、印鑑を渡される。
考えていた(卑猥な)事よりも健全な答えに、綱吉はハテナマークを頭に浮かべていた。
たしかこういう展開ならベッドに押し倒されてどうたらこうたら…ジョットの鬼畜さを目の当たりにすると覚悟していた。




「…………。」

「お前、ドラマの見過ぎだ。」

「え?!」

「今期待してただろ。」

「そんなわけあるか!」

「お楽しみは最後がいい。
焦らせば焦らすほど、人は自分から甘えてくる。」

「あッ…ああああまン、」

策略家だ。
本当に質の悪い策略家だ。
ありとあらゆる確立を考えないと俺に被害が及ぶ。
っていうかもう及んでる?

自分の判断ミスを改め、今はジョットの優しいキスに溺れた。
だが舌はいれない。
これが焦らしということなんだろう、少し物足りなさを感じた綱吉は自ら舌を使った。
舌でジョットの唇をこじ開けようと頑張る。

だが結局、開けられずに唇を放した。




「っ…意地、悪。」

「ただの焦らしだ。」

「これ以上したら泣くよ?」

「生徒が泣くと先生が説教しに来るのを知ってるか。」

「そうなの?」

「しかも俺とすれ違う度に睨みつけてくる。」

「じゃ、泣かれたくなかったら今すぐして。」

「昼間から盛れない。」

「もう夕方だし。」

「………お前が上手く誘えたらな。」

「上等。」

ネクタイを外すのはOKサイン。
結果、ジョットの焦らし作戦には適わなかった。
綱吉は窓から離れ、ベッドに腰掛けたジョットを押し倒す。
たまには見下されるのも悪くない、そう思ったジョットは窓の外に視線を変えてニヤリと笑った。


とりあえず、
全てを外から眺めていた教師は、甘えたがりな生徒とベタベタと生徒に触る金髪に殺意が芽生えていた。






(外から丸見えだバカ野郎)
(カーテン閉めろ)




フリリク企画に提出。

10,06/29[更新]
10,04/02[完成]
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