赤黄
僕は疑問に思っていた。黄瀬君は僕によく抱きつく。ある日問うてみた。何でそんなに僕にばかり抱きつくのかと。そしたら、「え?だって黒子っち抱き心地いいじゃないっスか。ちっさくて可愛いし」とか言いやがりましたのでイグナイトしておきました。一度は納得したものの、すぐに、疑問がまた浮かぶのです。それじゃ、赤司君は―?


ある日。
「黄瀬、オレに抱きつけ」
唐突にそんな事を言う赤司君。さて、黄瀬君は何て返すのか。
「えっ。どうしたんスか、急に」
まぁそう思いますよね。
「じゃあ抱きしめて良いか?」
「じゃあって何スか!」
「別に、お前がオレに触れてくれたら問題ない。ただお前は…聞けば、黒子にはいつも抱きついてるらしいのに、オレには抱きついた事がないから、何でかと思ってな、何か理由でもあるのか?」
これは、赤司君が黄瀬君から触れて欲しいのか、それともただ触れたいだけなのか…どちらもでしょうね。
「……えっと、その、赤司っちに抱きつくなんて恐れ多いというか…」
「遠慮はいらないぞ。オレが良いと言ってるんだから。
ぁ」と言って、黄瀬君に向かって両腕を広げる赤司君。
「(うっ。そうくるっスか。これは白状しないとダメかも…でもでも!やっぱり恥ずかしいし!!///)えっと、その、遠慮してる訳じゃなくて……」
何やら葛藤してる黄瀬君。焦ってるみたいですね。
「仕方ない。じゃあオレから」
と言って、何の躊躇いなく黄瀬君に抱きつく赤司君。その瞬間。
「ぎゃああああぁっ!心の準備がぁあああ」
「黄瀬、うるさい。黙れ」
あまりにもうるさかったのか、赤司君は黄瀬君を睨みながら言って放した。赤司君が離れると、
「はいっ。すいませんっした!」
と言って謝る。耳元で叫ばれて少々不機嫌になった赤司君ですが、何か思うところがあったようです。 「黄瀬、心の準備とはどういう事だ?」
「うっ」
今度は黄瀬君、「うっ」って言っちゃいましたね、本人の前で。
黄瀬君は一歩後退った後、「すいませんっ。何でもないんスー!」
逃げた。
「紫原、捕まえろ」
すると、部室で赤司君を待ってた紫原君がすぐ出て来ました。赤司君はあらかじめ伝えてたようです。今は、部活が終わって帰宅の最中です。僕は、赤司君が黄瀬君に何を話すのか気になったので潜んでるんです。
「はぁい。ごめんねぇ、黄瀬ちーん」
あっさり捕まった黄瀬君。「どうなんだ、黄瀬、もしかしてオレが嫌いなのか?」
「そんな、赤司っちの事が嫌いなんてとんでもないっス。オレはただ…恥ずかしかっただけっス///」
「そうか…。それを聞いて安心したよ。でも、何で恥ずかしいんだい?」
「そ、それは……赤司っちの事が、好きだからっス」
「黄瀬、オレも好きだよ」
…なるほど。疑問が解けました。黄瀬君は恥ずかしがり屋だったんですね。だから、好きな赤司君には抱きつけないと…。紫原君は空気読めたんですね。まだこの場に残ってたらおしおきされてたでしょう。それにしても、赤司君が黄瀬君を…。赤司君って、独占欲強いんですかね?人前でいちゃいちゃするんでしょうか…。付き合った二人がどんなふうに過ごすか分かりませんが…良かったですね、黄瀬君。


何気に黄瀬が好きな黒子。黒黄も好きです。
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