妹の彼氏は新名君
ピンポン!
「ハーイ!」
ガチャ!ドアを開けたのは、妹。
「何?チャイムなんて。それにデートだったんじゃないの」
「それが」
ドアがもう少し開いて、そこにいたのは
「チース。どうも」
「あ、噂の年下の彼?」
「年下、年下って言わないで、新名君は私より、イロイロ知ってるし」
「わかった。わかった。それで何?」
「お姉ちゃん、ゴメン。私、言っちゃったの。お姉ちゃんの彼氏が葉月珪だって」
「え〜困るよ」
「いいじゃん、もう婚約したんだし」
「婚約?!マジ?」
「そう、お姉ちゃん、婚約したの。それでね。お姉ちゃん、新名君、大ファンで、一目で良いから会わせてあげたいの。家にいるんだし」
「でも、珪君、まだ寝てるよ」
「お願い!」
「でも・・・こんなところで話しても、しょうがないわね。新名君とリビングに行っていて。珪君に聞いてくるから。」
「うん、お父さんとお母さんは?」
「予定通り、会社の方の結婚式に二人で行ったわよ」
「そうか。お姉ちゃん、珪兄さんによろしくね。新名君、行こう」
「お邪魔するっす」
困った子、珪君、大丈夫かな?
「珪君、起きて」
私は珪君の布団を揺すりました。珪君は布団から顔を出し、私を見て、
「・・・ん?なんだ?」
それと同時に私の手を掴んで、自分のほうに引き寄せました。
「珪君、ダメ!ダメだったら」
「ん、もう少し、一緒に寝よう」
私は必死に這い出し、
「珪君、ゴメン。お願いがあるの」
「・・・」
「妹が帰って来て」
「デートじゃなかったか?」
「うん。噂の年下の彼と一緒で、その彼氏が珪君の大ファンで一目だけでも、会いたいって。ダメかな?」
「・・・」
思いっきって、言っちゃったけど、珪君、きっと嫌だよね。
珪君は起き上がり、
「コナミ、こっち来い!」
私を呼ぶと、後ろからギュッと抱きしめ、耳元に
「交換条件」
「え?」
「来週末は俺ん家」
「・・・お泊りだよね」
「ああ」
「・・・わかった。交換条件のみます」
「よし」
珪君は私を押し倒し
「契約成立」
そしてキスしてきました。
「珪君、パジャマのままだよ?」
「いいんだ」
「新名君、がっかりしちゃうよ」
「構わない」
会ってくれるだけ、良いかな?もう、珪君たら
リビングに二人で入ると、立ち上がる新名君
「本当に葉月さんだ。スゲー」
「ごめんね。新名君、珪君、着替えてくれなくて、こんなよれよれのパジャマ姿で」
珪君はもろ鬱陶しい顔をしてる
「そんなことないっす。モデルの葉月さんもカッコイイっすけど、飾らない葉月さんもカッコイイっす」
「そう」
珪君はちょっと、顔を赤めました。
「なんだなんだ、賑やかだなぁ〜」
寝ていた兄が起きてきました。
「お兄ちゃん、起こしちゃった?」
「まぁ、そろそろ起きようかと思ってたしな。それで」
「あ、バンビの噂の年下の彼、新名君」
「お姉ちゃん、またバンビって言った。」
「なんだ?バンビ?」
「うん、この子、学校でバンビって呼ばれてるみたいなの。可愛いから私も時々呼んじゃうの」
「ハハ、面白いな。んじゃ俺も、バンビの兄でーす」
「お兄ちゃんまで!」
「初めまして、新名っす。」
「こちらこそ。それでなんで珪は起こされたんだ」
「新名君が珪君の大ファンなんだって」
「そうっす。大ファンです。」
珪君の顔が険しい。珪君は私の手を掴み、引き寄せると
「コナミ、腹減った」
「朝ので良い?」
「ああ」
「今、したくするね」
珪君、怒ってるみたいだけど、マイペースだ。私はキッチンに
「コナミ、俺も」
「お兄ちゃんも朝ので良い?」
「なんでもいいぞ!」
「了解!」
ちょっと、四人にしとくの心配だけど、私はテーブルにセッティングを始めました。
厚焼き卵、焼きのり、納豆、お浸し、味噌汁、ご飯。
「お待ちどうさま。珪君、お兄ちゃん」
私の声かけで、テーブルの席に着く二人
「ようし食うぞ。いただきます」
「いただきます」
静かに食べだす珪君。
すると、突然、新名君がリビングから来て
「スゲー、葉月さんが和食食べてる」
この子ったら、何を言い出すの。珪君の方に顔を向けると、珪君の顔がますます険しくなって
「・・・俺は、コナミが作るものなら、なんでも食べる」
「え?今日のは、お母さんだけど」
「・・・うっ・・・でも」
「新名君、何言ってるの?珪兄さんは、もうお姉ちゃんお姉ちゃんで、お姉ちゃんが一番なの」
「バンビ、何、言い出すの!」
「あーまたお姉ちゃん、バンビって言った」
顔が赤くなっちゃう。珪君を見たら、珪君も顔を赤くしてました。
「あ、すいません」
「ほら、新名君、リビングに戻るよ」
引っ張って行かれる新名君。
「ごちそうさん」
兄は早々に席を立ち、リビングに。珪君も食べ終えてたんだけど
「コナミ、ここにいたい。どうせ、コナミは片付けるんだろ?」
「うん、・・・そうだよね。もう良いよね。珪君の好きにして良いよ」
「ああ、ここにいる」
片付け、珪君に見られるのは、恥ずかしいんだけど、仕方ない。でも、兄が
「オーイ、珪、何をやってるんだ?片付けはコナミがやるんだから、早くリビングに来い」
「・・・んっ」
「お兄ちゃんたら、珪君、本当に好きにしても良いから」
珪君、ごめんね。辛い思いをさせて。珪君の表情が・・・
「コナミ」
「何?」
珪君は私の手を一度握ると、リビングに向かいました。私のために・・・
早く片付けないと、時々聞こえるリビングからの声、
「葉月さん、家族って感じすね」
「当たり前だ。コナミと婚約したんだから、立派に俺の弟だ」
「そして、私の格好良いお兄さん」
「そもそも、俺は反対だった。珪はモテるからなぁ〜」
「そうっすね。葉月さんはモテるっす」
「でもな、さっきバンビが言ったみたいに」
「もうお兄ちゃんまで、バンビって」
「コナミが一番って言うから、許した。」
片付けが終了。珪君、どんな気持ちでリビングにいるんだろう。もうすぐ、行くからね。そろそろ、みんな追い出しちゃう。
「さてと、片付け終わりました。ところで、みんな、今日は一日いるつもり?」
「俺はもうすぐ出かける。デートだぜ!」
「私達はどうする?」
「そうっすね・・・ボーリング行って、カラオケなんてどうっすか?」
「いいねぇ〜それでいこう。ところでお姉ちゃんはどうするの?」
「私は」
珪君の座ってる所に行き、珪君の肩に手を置いて
「珪君と家でマッタリするの」
珪君は肩に乗ってる私の手を握って、優しい笑みを向けながら
「ああ」
「これだものなぁ〜ねぇ、新名君」
「・・・葉月さんの笑顔」
新名君は固まっていた。
「もしかして、新名君、初めて見た笑顔?お姉ちゃんに対しては、珪兄さんはよく笑うよ」
「いいんだよ。だからこそ、俺の弟」
「さあさあ、みんな、出発して!」
「はいはい、お邪魔虫は退散だ」
「あの・・・また来てもいいっすか?」
「ああ、構わないぜ」
お兄ちゃんたら、あっさり承諾?私は一応、笑顔を見せたけど、ちゃんと笑えてたかな?
「俺達も行っちゃったりしまっすかね?」
「うん、行こう」
やっと、みんなを追い出し、リビングに戻って来ました。珪君は座ったまま。私は珪君の前の絨毯に座り込んで、珪君の膝に手を置いて、
「ごめんね。嫌な思いをさせて」
珪君は私の手を引いて、私をソファーに座らせると、肩を抱いて、耳元で
「交換条件、生きてるよな」
「もちろん、生きてるよ」
「ならいい。コナミ」
「え、何?」
珪君に顔を向けたら、顔が近付いて来て、目を閉じたら、何度もキスされちゃった。
「この間、二人でやろうって買ったジグソーパズル、まだ家にあるから、やろうか」
「ああ、そうだな」
「珪君、ここの角のパーツ、見つけた?」
「いや」
「こっちかな?あっ」
私はこけそうになり、
「危ない」
珪君に抱き留められました。
「珪君ありがとう」
「ああ」
「でも、もう放して大丈夫」
「いや、放したくない」
「・・・ジグソーパズル出来ないよ」
「ジグソーパズルより、コナミがいい」
「私だって、珪君のが好きだよ。」
「コナミ、愛してる」
「私のが愛してるよ」
「俺のがもっとだ」
「きりないね」
「そうだな」
ソファーに倒されて、ゆっくりキスを・・・
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