お砂糖警報。
ちょっと下品な圭くん注意。
「因幡さんって狼よりも猫って感じですよね」
「は?」
ふと思ったことを口に出せば、彼は茫然とこちらを見た。
「ついに猫馬鹿が視覚にもきたのか…」
「失礼ですね、俺の視覚は至って普通ですよ」
だって遥も聡明もステラも同じ狼であっても、猫には全く見えない。(遥とステラは狼にも見えないけど)
「じゃあ何でだよ?」
「因幡さんの髪って猫っ毛だし、この髪も猫耳みたいじゃないですか」
「猫っ毛は別に関係ねぇだろ…」
そう言いながら、因幡さんは自分の耳(髪の毛)を指で摘んだ。
「そんなに猫に見えんのかよ、俺」
「そうですね。特に普段は」
「えー」
少し顔をしかめた因幡さんに、苦笑する。
そんなに嫌そうにしなくても…
「俺は狼だぞ?」
「知ってますよ。何回も変身した姿を見てますから」
「じゃあ何で猫なんだよ」
納得いかないとでも言うように、因幡さんは尚も聞いてくる。
だから少し意地悪をしてみる。
「猫は嫌いですか?」
「いや別に、って質問してんのは俺だろーが!」
あ、キャンキャンと吠えるところは犬っぽいなと何処かお門違いなことを思ってしまう。
「因幡さん、俺は猫が好きです」
「そんなこと充分すぎるほど知ってる。てか何なんだよお前…」
「"ネコ"が好きなんです」
「だから分かってるって…」
ハッ、と急に因幡さんが目を見開いた。
どうやら気付いたみたいだ。
「おまっ、下品だぞ!」
「何のことですか?俺はただ猫が好きって言っただけですよ?」
そう返せば、彼は顔を朱に染め、ぷるぷると耐えるように震えた。
ああ、楽しい
「まあ、因幡さんは俺の"ネコ"ですけどね」
「…結局そういう意味じゃねぇか、変態圭」
いじけてぷくぅと頬を膨らます年上の彼は普段より幼く見えて、可愛い。
そんな因幡さんを抱き締め、自分の唇を彼の唇に押し当てる。
「………ン、」
軽く口付けただけなのに、身じろぐ彼が愛しくて堪らない。
唇を離し、因幡さんを見詰めれば、彼は顔を更に真っ赤にした。
そして俺は再度質問をする。
「因幡さん、ネコは嫌ですか?」
「別に、嫌いじゃねぇ……」
そう言ってそっぽを向く彼に、俺は勢い良く抱き着いた。
ぼくの愛猫
(可愛い可愛いぼくだけの猫)
END
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こちらの因幡企画様に参加させて頂きました。
猫のことになると急にイケメンになる圭くんが大好きです(いやいつもイケメンだけど)
圭くん変態にして本当ごめんよ…。