ルルーシュ誕生日記念









「準備できた?」

「はい、バッチリです!」

「ふふ、じゃあ後はスザク君がルルーシュを連れてきてくれるのを待つだけね…。」







「っ、おいスザク!一体、何処に連れていく気だ!?」

俺はスザクに手を引かれ、強制的に走らされていた。
悔しいことに、体力の差は歴然としているため、俺の体力はすでに限界を迎えている。
なのにこの体力馬鹿は、それに気付かず更にスピードを上げた。

「っ、スザク!!」

「もう着くからっ!」

「着くって何処に……っぷ!?」

急にスザクが止まったため、俺は勢い良く彼の背中に顔をぶつけてしまった。

「い……っスザク!!」

「ごめんごめん。だけどほら、」

着いたよと言って、正面を指さすスザクに俺は眉間に皺を寄せた。

「お前、ここは……」

「うん、生徒会室だよ!」

笑顔で言う彼に俺は溜息を吐いた。

「ここに来るためだけに、俺を走らせたのか……?」

「だけじゃないよ。ほら、扉を開けてごらん。」

そう言われ、納得がいかないながらも渋々彼の言うとおりにした。
その瞬間………。

パンパンパンッ

「「「ハッピーバースディ、ルルーシュ!!」」」

「え………?」

大きなクラッカーの音と共に、生徒会メンバーから発せられた言葉に俺は驚いてしまった。

「やっぱり忘れてたみたいね。」

「まぁ、はい……。」

この歳にもなれば誕生日なんてあってないようなものだしな。

「でも、ルルらしいね。」

「本当ね。リヴァルなんか1週間前から騒いでるもの。」

「逆に祝う気無くすわよね。」

「うわっ!酷っ!!」

目の前で騒ぐリヴァル達を尻目に、スザクは俺を部屋の奥に促した。
その先には、大きなケーキがあり、中心には「HAPPY BIRTHDAY LELOUCH」とチョコで書かれていた。
他にも、部屋の周りは綺麗な花や紙のテープなどで装飾されている。

「ふふ、驚いた?」

「ああ、そうだな……。」

こんなに誰かに祝って貰うことなんて、滅多に無い。
だから正直俺は嬉しかった。

「ねぇ、ルルーシュ。」

「なんだ?」

ちゅっ

「っっっ!!?おま…っ!!」

スザクに呼びかけられて振り向いた瞬間、頬にキスをされた。

「ここを何処だと思って…!というかみんなが見て……。」

「うーん…じゃあ、」

スザクは一瞬悩んだような顔をして、俺の手を引いて死角へ移動する。

「ここならいいか。」

「だから何が……んっ!!」

いきなり、今度は唇にキスをされた。
その反動で思わず瞼を閉じる。
この時、スザクにぎゅっと左手を握られたと同時に、薬指に違和感を感じる。

「ん、すざ……っ、」

「見て……。」

先ほど違和感を感じた左手の薬指には、シンプルなシルバーリングがはめられていた。

「これって………。」

「僕からの誕生日プレゼントだよ。」

スザクは跪きながら、ちゅっとリングをはめた指にキスを落とす。
まるで俺の騎士にでもなったかのように……。
だから俺は意地悪く命令してやった。

「俺の傍で、一生俺を護ると誓え。」

そう言えば、コイツは少し困ったように、しかし嬉しそうに「イエス・ユア・ハイネス」と答えた。






(ルルーシュー?スザクくーん?)(しまった!ここに人が居ることを忘れてた!!)







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2010年ルルーシュ誕
リゼ