かなりどうでもいいひめはじめという名のギャグ｡
エロというか下品｡
いつも以上に残念｡
夢と目標
｢なぁ､スザク｡｣
｢何だい?ルルーシュ｡｣
｢っ､｣
(聞きたいのはこっちだ､馬鹿!!)
確か俺達は前日から下ごしらえしておいたお節をたべ､こたつでぬくぬくと温まっていたはずだ｡
最近軍にかかりきりのスザクも､年末年始は休暇を取れたらしい｡
だから本当に久しぶりで､たわいもない話に幸福を噛み締めていた｡
―――なのに､コイツときたら……!
｢俺に跨がるな!脱がすな!触るなっ!!｣
｢何で?｣
｢だから聞くなと言っているだろうが!!｣
寒い!
中途半端に脱がされたシャツから覗く肌に冷たい外気が触れて寒い!!
｢大丈夫､僕が温めてあげるから!!｣
｢いら……んんっ!?｣
最後まで言葉を言う前に口づけられた｡
｢んふぅ…｡｣
酸素を求めるように口を開くと､待っていたとでも言うように口腔に舌を入れられ､半ば強制的に絡ませられる｡
｢ん……ふぁっ…!｣
｢………ん｡｣
ぴちゃぴちゃという水音とスザクの巧みな舌技で頭がクラクラする｡
ようやく唇を離して貰えると､互いの唇を繋ぐように絡んだ唾液が糸を引く｡
｢っ､はぁ……はっ｡｣
｢キスだけでこんないやらしい顔して……本当君は淫乱だね｡｣
爽やかな笑顔で言葉で責めてくる彼に殺意が湧く｡
｢今日は､しないからな……っ｡｣
｢今日だからするんでしょ?｣
｢ふざけるな!誰が好き好んで正月からこんなことしなきゃならないんだ!?｣
言うと､スザクは目を丸くした｡
｢………何だ｡｣
｢…ルルーシュ､"姫始"知らないの……?｣
｢ひめはじめ……?｣
ひめはじめ……ヒメハジメ……｡
……"姫始"｡
①正月に姫飯を食べる事
②飛馬始の意で､乗馬始の日
③姫糊始の意で､女が洗濯･張物などを初めてする日
④新年に夫婦が初めて交合する日
………交合｡
頭が混乱してきた……｡
なのに目の前に居る男ときたら､相変わらずの笑みを浮かべて説明し始める｡
｢姫始っていうのは､新年に夫婦がセックs｢ほわああぁぁっ!知っているからこれ以上言うな!!!｣
あ､危ない……!
俺が止めなかったら確実にコイツは放送禁止ワードを連呼していただろう｡
｢何だ､やっぱり知ってるんじゃないか｡｣
｢残念がるな!それに俺はしたくない!!｣
いくら会えなかったからとはいえ､正月位はゆっくりしながら寄り添っていたかった｡
｢えー!?僕ずっと我慢してたんだよ!｣
だから何だというんだ……｡
｢ねぇ｡だからさ､｣
｢シよ?｣という低音の声が耳にダイレクトに響く｡
｢っ､スザク……!｣
｢耳に声を吹き込んだだけで感じちゃったんだ?かーわいい｡｣
｢うるさい､馬鹿っ!……て､あっ!?｣
いきなり下半身を触れられて思わず声を上げてしまった｡
｢ほら､勃って固くなってる……｡｣
｢や､やめ……!｣
｢やめて?嘘つき｡本当は悦んでいる癖に……｡｣
｢違っ……!｣
｢違わないよ､変態｡｣
黒い笑みで尚も揉んでくる男らしいゴツゴツした手｡
｢ん､ンん………っ!｣
与えられる快楽はあまりにも強くて｡
｢やだっ!イくぅ……!｣
｢いいよ｡ルルーシュがイくところ僕に見せて｡｣
そう言って更に手に力を込められる｡
｢ン､あぁァっ!!｣
絶頂を極め､白濁を散らすと共に真っ白になる脳内｡
―――そう､真っ白と……｡
｢うわぁぁっ!?｣
ガバリと勢い良く身体を起こす｡
｢ゆ､夢か……｡｣
最悪だ……｡
初夢でこんな淫らな夢を見るなんて……｡
一富士二鷹三茄子もあったもんじゃない｡
何と言う縁起の悪い夢だ……｡
しかもあろうことか､夢のせいで自身は完璧に勃起している｡
朝勃ち云々じゃないだろう､これは｡
とにかくスザクのせいで嫌な思いをした……｡
絶対姫始という名の交合はしない!
ああ絶対に!……ぜっ…たい…に……｡
｢……何勃起させてんの?｣
｢ほわああぁぁっ!??｣
考え事してて気付かなかった｡
隣にはこうなった本人が機嫌悪そうに横たわっていた｡
｢昨日は今日の為にしないであげたけど､夢でこんなにするなんて……この変態｡｣
｢違う!これはお前のせ……!｣
ま､まずい……｡
スザクは不機嫌な顔をいやらしい笑みに変えた｡
｢僕の夢見てこうなったんだ……?じゃあそれに応えてあげなきゃね｡｣
｢姫始しよう｣と言われ､もう自己嫌悪で頭痛がしてきた｡
初夢が淫夢に｡
淫夢が正夢に｡
(一体どんな年になるんだ､今年は……!)
ルルーシュ･ランペルージの今年の目標｡
『枢木スザクの禁欲!!』
それもまた､叶いそうにない……｡
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新年早々体力魔神なスザク