嘘つきは星を睨む
今日も私は、星を睨む。
何事もなかったように月を見やり、腹を満たし、喉を潤す。
その只中で私を殺めようとする彼の子孫に刺客を送る。私の害となる彼らを排除するために。
「恐れることはない……友達になろう」
確実に、私自身の望みを叶えるために。いつか、私の母だった人が望んだもののために。
たまには無理矢理従わせ、裏切られた。
それでも私は、はるか遠い、到底届きそうもないものにつかみかかる。
牙を剥いて、爪を突き立て、時が進むまでゆっくり、じっくり待ち続ける。
最期には、明るい何かが待っているだろう。
そうすれば、私はもっと大きな何かにつかみかかる。目の前の光がちっぽけな星に見えてしまうほど大きな、眩しい何かに。

今日も私は星を睨む。いつか叶える望みために。
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リゼ