思考
ひしひしと寒さが忍び寄ってきた。エジプトの夜は、ひどく冷える。
窓の外にはまだ星が瞬いて、なぜ眠れないのだ、星たちが明るいからかと八つ当たりに使っているところだ。
寒くはない。吸血鬼はもとから体温が低いためか、人間のように歯をガチガチ鳴らせながら、分厚い防寒着を着なくとも平気なのだ。「あァ、今日は涼しいんだなァ」程度にしか感じない。少なくとも、私は。
いや、寒さを気にしている場合ではない。今や刻一刻と、「私の」命が狙われているのだから。
言わなくともわかるだろう、あのクソ忌々しいジョースターの血統だ。私を殺そうと、母をすくおうとしているのだ。
マヌケが。私には神がついているのだ。「私だけの神」だ。ある人はビヨンドと呼び、ある人は憑き物と呼ぶが、私はコイツを神としている。
コイツがいるなら、私はアイツらになど負けやしない。いやこんな考えはネズミの糞よりも小さな杞憂に終わるだろうが、考えずにはいられない。夜の冷たさも相まって、私の頭はとても冴えている。
冴えているからこそ、考えるのだ。
いかにして神を有効に使うか、とか。一際強いと言われる空条承太郎が、どのように攻めてくるのか、とか。所謂シミュレーションだ。
………まあ、すべてこの「神」が、私の意のままに、ことを運んでくれるだろう。

いつのまにか、東の空が薄明かるくなっていた。
今日はどうなるのか、など、もうどうでもよい。
生きられるのなら、それでいい。
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あっわけがわからないごめんなさい
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リゼ