まさかの岸谷家
「──!!!!」
…あ。
……いつの間に寝たんだ?
………さっきの、夢かな。
…………嫌にリアルな夢だったな。
私、…ってもう面倒くせぇな。
俺も、高校二年になるのにいつまでも中二病の考えは棄てよう。
「……………」
───ガバッ!!!
目覚めてから気付いた。此所は俺の部屋じゃない。
家具のデザインも配置まったく違う。部屋の広さが違う。
……此所は……?
ふらつく身体を引き摺って、部屋を出る。
ドアを開ければリビングの様な場所に出た。
真っ先に目に入ったのは、黒いライダースーツに黄色いメット。
「…セルティ…?」
呟くと、セルティの身体がビクッと跳ねた。
そしてPDAに何か文字をカタカタと打ち込んだ。
『…何故、名前を…?』
「…え?だって 「あぁ!!目が覚めたんだね!!!」 …新羅ウザッ…」
後ろを振り向けば、白衣に身を包んだ新羅と、バーテン服…ではなく、Yシャツ姿の静雄が居た。
『…お前、何者だ?』
「へ?」
カタカタという音に、セルティの方を向けば投げ掛けられた質問。
「ん?どうしたんだいセルティ」
『コイツ私の名前を知っていた。もしかしたら正体も…』
新羅の問い掛けに、セルティは焦り混じりに答えた。
…セルティの正体?
「首無しライダーでデュラハンとか?」
………ん?
「…え。何この視線。イケメンと美女に見つめられると照れる。…変態の視線はウザイけど」
「変態って僕のこと?」
『な、ななななんで知ってるんだッ!?』
ダダダダッと指先から影を出して高速で打ったPDAを俺に向けた。
「………え?」
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