ささやかなアピール
「むー…」
現在の時刻、午前10:23
現在の居場所、ベッドの中。
本来ならば学校、遅刻する時間なのにゴロゴロしていられるのは、今日が休みだから。
もう眠くて眠くて…。
──♪〜♪♪♪〜♪♪──
まったりと幸せな気分を味わっていたのに、突然鳴り出すケータイ。
「…誰」
ディスプレイには【非通知】…よし、シカトだ。
──♪♪〜♪〜♪♪──
「ウザッ…」
仕方なく電話にでる。
「もしもし?」
『るん?俺だよ』
「…臨也」
『良く解ったねぇ。
もしかして、もぅ声だけで俺がわかるぐらいにラブってる?』
「きるよ」
『ゴメンゴメン』
「…どっから番号知った…?」
『五万で良いよ?』
「馬鹿」
『随分ご機嫌斜めだね〜』
「眠い…」
『シズちゃんは?』
「仕事…」
『ふーん。まぁいいや。
後でメールもするからアドレス登録しておいてね』
「ヤダ…」
『良いじゃん登録ぐらい』
「…わかった」
『よし、良い子』
「むー…」
『ホントにお寝むなんだねぇ…。それじゃ切るよ?
おやすみ、るん』
「おやすみ…」
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