折原臨也の憂鬱
──晃良木るんについての中間報告──
【晃良木るん】
女性。
来良学園高等部1-A
9/6生まれ、血液型は不明。
漫画やアニメを好むためか、アニメイト等で遊馬崎ウォーカー等といる姿をよく見掛ける。
好きな食べ物は苺、甘い物、また魚料理を好み露西亜寿司にも度々姿をあらわす。
得意な教科は国語と歴史。
苦手な教科は英語。
男の様な姿をしている為か、本人の性格が男勝りな為か、学校内の女子から告白される事も多々ある。
料理は得意らしく、たまにクラスメイトに手製の弁当を振る舞う事も。
中学時代に剣道をやっていたらしく、やらなくなった今でも護身用に竹刀と木刀を持ち歩いている。
首無しライダーや平和島静雄、門田京平らと居る姿が目撃されている。
平和島静雄に至っては、るんと同棲中だ、という噂もある。
彼女の過去の資料はほとんどなく、一年ほど前にヨーロッパから引っ越してきた帰国子女である。
保護者は"岸谷新羅"となっており、恐らく親戚同士だと思われる。
以上が中間報告である。
「──だってさ、」
目の前には呆れ顔の晃良木るん本人。
「君の事を某探偵事務所に頼んだら、こうなっちゃった♪」
「臨也ってホントにくだらない」
「…波江みたいなこと言わないでよ…、悲しいなぁ」
「……………」
「君はこれについてどう思う?
俺としてはこんな在り来たりじゃあ満足出来ないなぁ。
もっと君を知りたい、君を知る事で人間全てを知りたい。人間を愛したいんだ」
「……………」
「まぁ、君本人を愛するとはちょっと違うのかもしれないけど、でも君を愛しても構わないし。ソレで君を知れるなら、ね」
「……………」
「どぉ? 他人に自分を知られる感じは…?」
ワクワクしながらるんを見ると、溜め息を吐かれた。
うん。良い。
出来れば、怯える様な表情とかが良いけどさ、これも良い。予想外の反応だ。
「普通じゃん?」
「………ん?」
一体どういう事? ──訊こうとして止めた。
止めさせられた。
「折原臨也、男性。
永遠の21歳?
多分、23か24歳ぐらい。
5月4日生まれ、O型。
身長は173センチ、体重が58キロぐらい。
本業は情報屋ではないらしい。いつも着ているコートは多種多様に10着ほどあり、ケータイも同じ量ある。双子の妹達がいる。ロシア語が話せる。パルクールができる。現在のセルティの【首】の持ち主。ハンドルネームは"甘楽"のほかに"奈倉"等がある。新羅や静雄の同窓生。
ダラーズを大きくした張本人。
好きな食べ物は料理した人の個性が見えるもので──」
「もう良い」
「なんで?」
「怖いよ」
「それをいつもは折原臨也がやっているのに?」
「うん。ゴメン、俺が間違ってた」
「波江さんいなくて良かったね」
「うん………」
なんかもう。泣きそうだ。
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