結局40時間近く続きました(淑女と武人と騎士)

「複雑だ・・・。」
混沌の果てにある長い階段の中腹に座ったガブラスはポツリと呟いた。
「うん?」
少し下の段に座っていたセシルが振り向いて見上げれば酷く疲弊したように見える声の主がいた。
「いくら紛い物とはいえ自分の姿をしたものと延々と戦わされればな・・・。」
「まぁ、そうだよね・・・。気持ちはわかるな。」

後方から聞こえてくる雄叫びはバッツが召喚師の物真似で呼び出したイフリートものだろう。
既に何十戦もこなしているのにまだ大暴れしているようで爆音やバッツの叫び声も聞こえてくる。
そんな音すらもう騒音にしか感じず、うんざりだと肩を竦めるガブラスにセシルは苦笑せざるをえなかった。

「そうは言っても全部貴方の為でしてよ。へっぽこな貴方がまともに戦えるように準備して差し上げてるんですわ。」
「わかっているが・・・お前はずっと見ているだけだろう?」
ふんぞり返り膝の上に座った淑女の頭を軽く小突く。
あの淑女によくもそんな命知らずなことをやってのけるものだと尊敬の念を抱かずにはいられない。
ガブラスのみ許される特権みたいなもので周知の事実。
誰も突っ込む者はいない。
むしろ突っ込んだらどうなるかわかったもんじゃない。

「シャントットはガブラスといたいんだよ。」
ねっ?っとばかりに少し首を傾け尋ねる。
「そうなのか?」
恋愛に疎い武人にはその意味が半分ぐらいしか伝わっていないと思う。
「そ、そ、そ、んなことあるわけ・・・。」
「暴れるな。落ちるぞ。」
動揺のあまり手足をバタバタさせたシャントットの体を支える為、引き寄せる。
自然と後ろから抱き付かれる形になり、淑女は頬を赤く染め口をパクパク動かした。
しかしガブラスからは見えてないようでそのまま抱き抱えている。

この場にティナがいたら淑女をもふもふして連れて帰りかねないぐらい可愛い淑女。
セシルは滅多に見れない貴重な瞬間を見れて運がいいなぁなんて呑気に思った 。
しかしこの武人の鈍感さは中々のものでこの場にいる全員からの好意に全く気付いていない。

(だからみんな必死で気を引こうとしてるんだけどね・・・。)


反省文
ストーリーもやらずフリーバトルやゴースト対戦でガブラスの装備を整えていて時に浮かんだネタです。
気が付いたら本気で40時間近くやってたという・・・。
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