膝枕(幻想×武人)
高槻様、5000hitありがとうございます!
リクエストのジェクトとの話を書かせて頂きました!
大変お待たせして申し訳ありませんでした。




人の膝に頭を乗せ大鼾をかいて眠る男を見ると自然に深い溜め息がでた。
溜め息は出るもののあまりに気持ち良さそうで膝を使われているガブラスはそんな彼を叩き起こす気にはならなかった。
ただ人のマントを掛け布団にするのだけは止めてもらいたいと思う。
「折角、アイロンをかけたのに・・・。」
マントに皺が増えていくのと同時に眉間に皺が増えていく。

御返しだとばかりにジェクトの額にグリグリと拳を押し付ければ苦しそうにするが目を開けることはない。
ここれだけ鈍いから息子とも上手くいかないのでは?
呆れて傷のある顔を眺めた。
「いつ出来たかも覚えてねぇや。」
大分前の話だがジェクトに身体の傷について尋ねたらヘラっと笑っていたのだった。
それを聞いた時、生業としていたスポーツがどれだけ危険なものか疑問に思ったものだ。
勿論、今はその誤解は解けている。

「ノア・・・。」
何もする事が出来ずぼーっとしていたらあの名前で呼ばれた。
「いつもその名で呼ぶなと言っているのに。」
隠れて呼んでいる事や呼びたがっているのは知っている。
だが呼ばれたくはない。
以前呼ばれた時は返事がわりに一発ぶん殴ってやった。
次に呼んだら鼻でも摘まんでやろう。
「まだ一回目だ。」
ふっと笑ったガブラスはジェクトの黒い髪を撫でてやった。
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