疑問(騎士と武人)
ふわふわと浮く髪に触れてみれば見た目で想像できるような柔らかな感触が指先に伝わってくる。
突然の行動にその髪の持ち主はどうしたの?っという表情をする。
折角なので常々疑問に思っている事を尋ねることにした。
「その髪はなぜ浮いている?」
「秘密。」
フフッと笑う姿は男から見ても可愛らしい。
なら僕も質問していい?と言うので軽く頷いてやる。
「貴方はどうしてお兄さんが嫌いなの?」
可愛い顔をして平気で触れて欲しくない事に触れてくる。
憎くてたまらない相手を思い出し自然と苛立つ。
「・・・秘密だ。」
苛立ちを抑えつつ答えれば、こちらの苛立ちに気付いてないのか真似しないでっと笑った。
だがその笑顔もすぐに消え「僕だけを見ていて欲しいのに、お兄さんは離れていても貴方の中にいる・・・悔しいな。」と寂しげに呟く。
「だが近くにいるのは奴ではなく貴様だろう?」と返せば「貴方という方は・・・。」っと困ったように首を傾けた。
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