実は抱きつきたいだけ(旅人×武人)
「ガブラスって筋肉凄いんだなぁ。」
珍しく鎧を脱いでいたガブラスの腕をべたべた触っていたバッツが呟いた。
「そうか・・・?」
「凄いよ!俺なんかとは大違い。」
自分の腕の筋肉とガブラスの筋肉を見比べたり触ったりしている。
「装備や戦い方の問題もあるだろう。」
「まーそうなんだけどさ。なんか筋肉があるほうが男らしいような気がする!」
「そうか・・・。」
今日は静かだと思ったらそんな事を考えていたのかと思い、ガブラスは呆れたという視線をバッツに向けた。
当の本人は気にする事もなくガブラスの身体を観察している。
腕に飽きたのか身体の他の部分まで触り始めた。
他人に自分の身体を触れられるのはあまり気持ちの良いものではない。
「もういいだろ。」
「んー。腹筋割れてるな。」
「おい・・・。」
腹筋を触っていたと思ったらいきなりぎゅっと抱きついてきた。
バッツを引き剥がそうとするが、全力でしがみ付いているらしく離れそうもない。
「見た目より力があるな・・・。」
「そうかな?へへっ、褒められた。」
抱きついたまま笑うバッツの姿に剥がすのを諦める。
「褒めてはないんだが・・・はぁ・・・。」
諦め半分の深いため息をついたガブラスの様子にバッツは少しだけ困った表情を浮かべ尋ねた。
「俺に触られるのって嫌い?」
「今更な質問だな・・・。」
嫌味ったらしく「散々、好き勝手な事をしていたのに。」っと付け足して言ってやれば気まずそうに視線を逸らす。
「あー・・・。ごめん。」
落ち込んだり視線は逸らすものの離れようとはしない。
そんなバッツの姿に苦笑しつつ頭を撫でた。
「貴様の好きにすればいい。今日だけだぞ。」
「えっ?いいの?やった!じゃあしよう!!!」
「・・・イノセンスとエグゼクションどちらがいい?それともエアロで吹き飛ばされたいか?」
「う、嘘、嘘だから!」
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