予兆(1/2)








施設で暮らすのも今日で最後
私は大切な居場所を見付けたから



















「短い間でしたけど、みなさんお世話になりました。」




莉愛は今日までお世話になった施設を去る事になった。
理由は先日記憶を取り戻し、自分がキンモク星で暮らしていたと気付いたから。そしてヒーラーこと夜天光の恋人だった為、スリーライツの暮らすマンションで一緒に自分も暮らす事になったのだ。
莉愛自身は施設での暮らしで構わないと思っていたが、どうやら夜天が言う事を聞かなかったらしい。折角記憶を取り戻したのに、何故また別々に暮らさなきゃならないんだと文句が炸裂した結果、莉愛が折れる事となった。





「莉愛ちゃんが居なくなるのは寂しいわね。でもまた遊びに来てちょうだい?」



「園長先生、ありがとうございます。お言葉に甘えて時々また遊びに来ますね。」





園長先生と呼ばれた女性と莉愛はお互いに微笑み合って別れを告げた。
そして莉愛は荷物を持って門で待っているだろう夜天の所に向かった。
その間何人もの施設で暮らす子供達が手を振ったりバイバイと叫んだりしていた為、中々莉愛は門から離れられずにいたのだ。





「みんなー!またね!」



莉愛は施設の人全員に向かって最後の言葉を叫び、夜天と共にマンションへの道のりを歩いていく。





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リゼ