わたしの残滓は海に棄ててよ

報われたこともないじゃない

辛酸嘗めたがったのはきみだろう

さよなら未満の別れ

瞼の内側を粉々に砕けた光が散ってゆくよ

肥大した気持ちのために犠牲になれとは言わないけれど、わたしの涙を拭ってちょうだい。

もう私の手をあたためてはくれないのか

写真を燃やそう、煙にて届けよう

詭弁だってわかれよ

できもしない空想

彼に幕引きを押し付けた

有翼の化物は神の遣いにも似て

すこしはきれいに忘れたい。

恋もせず母になる

視線の跡がまだ残っている

すきとおっている、そんなふりをしている

出会いも別れも涙にまみれ

勝手ばかりが好きなのね

行けもしない旅行の計画をたてて眠り、会えもしないひとの言葉を聞く夢をみる

毎日の意味なんてないや

うまれた嘘はうたうようにひびく

最低等級であれど星は遠くにたしかに光る

きみの死顔はうつくしいはずだなんてどうして思ったんだろう

こんなにも白いんだね

なにも残ってやしないもの

わたしの血をかぶっていたのね

隠れ蓑にしてはできすぎている

やり場のない悲しみばかりを堪えています

きたる明日には別れを告げて。

久闊を詫びろとは言わない

暇は彼を殺せる

ば か め

内鰓を露わにして

愛しい無垢なる怪物たちよ

いとしいだけかなしいだけ

他人の背中に重ねて抱いた

わるいことしかしないもの

虚を覗く

まさしく暗澹

しあわせにされてしまうすべはじつはこんなにもかんたん

しかし語らぬ閉じた部位を持って

饒舌に騙されてくれ

竜啼く夜にはふたりで

これが恋よと教えておくれ

あなたとの会話ばかりを振り返っている

あなたが触れたところだけが変わってゆくの

それは猛禽の爪に似ていた

あの子は尻尾の先まできれいだったよ、肺の中まで星屑で満ちて

嗚咽までもがうつくしい子

死にざまを見ていて、わたしの風切羽を他人にあげないで

ふたりふたたびふしめがち

歩く先には道が無い

なくなっていくものばかりを好きになる

軽率だなあ

熟れたが勝る

この先は人間で暮らしたい

少女よ、獣であれ

もう光のなかにはいられまいよ

有償の愛/優勝の愛/勇将の愛

聖母の皮肉はえぐりにえぐる

羊だって嘘ついたのね

残酷なだけのひとだったらよかった

二律背反する感情の落としどころを探しても、なお揺れるというからには

乖離しつづける偶像

この四畳半すら広く思えた

君が悪いだけの話/気味が悪いだけの話

寒々しいから抱きしめていよう

校庭の皇帝

殺意ちゃん誕生

思わせぶりたいだけの軽い言葉なんていらない

重たいだけの自己満足な愛情なんていらない

あ ほ ら し

とりわけさみしがりやのきみ

涙も枯れたというのに

絡繰る人を演じ切れないのなら、情を移すまえに去って

頭を垂れてすがるのも良し

さいごにくれた言葉はいまでも大切にしまっています。

埃で白んだ写真立てに映る瞳のように、遠い昔に忘れたちいさな押し花のように

わたしの知らないことばかり好きね

わたしの知らないとこばかり見てる

ぼくらの愛情なんてとっくに形骸化しているじゃないか

つつむ

渡りの船の遅延状況

欲しいものをくれるなら好き

嫌いとばかり言わせないで

他人の不幸を詰って笑っていたい

高台で暮らしたい

やさしくはなりたくない

私の彼になるようなやつは、毎日酒と他の女と賭博に溺れ私に金をせびる口も頭も悪い気の触れたクズでいい。

悪女と好青年

う そ ば っ か り

ねえわたしのこと自動駆動TENGAだって勘違いしてない?

やさしくはなれない

熱い鏡が飛ぶ、割れて行方はだれひとりとして知らない

最後の行につづく文字よ、わたしのまなこに飛びかかるのは止せ

許さなくていいから、魚に還ったっていいから、どうか泣いて、ぼくを引き止めて

わたしの欲望の腕が広がる、逃げて、かなしいくらいの果てまで走り抜いて

不自由でよかったと思っている

理性を枷だなんて考えているあたり本能に従順なようね

燻っていた感情に火がついた。燃え上がる身体もよそに駆け出す、あなたの行方を知ることはないのに。

これは夢さと自己暗示。そして勇気を得たわたし。

おいていかれたと腹をたて、あなたの骨をのんで眠る

えづく身体にあなたは異物と教えられたの

然は言え夜は明ける






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