※君の甘い血を(宗清)

※ドラキュラパロ
※色々と辛い
※裏にいきそうなくらい危ない雰囲気
※中途半端







「甘い匂い」

「ヒッ…」

立花宗茂はへらりと笑い、清正を見た。その笑った口から小さいが鋭い牙が覗く。加藤清正はただカタカタ震えながら、宗茂…ドラキュラを見つめることしか出来なかった。



―――数分前に遡る。

雨が降り注ぐ中、宗茂は路地裏で寒さに震えていた。帰る場所も無ければ生きる居場所さえ無い。孤独に震えている宗茂の前に清正は立った。そして、差し伸べられた手を宗茂は掴んだ。たったそれだけのことだった。それだけのことで二人は恋をしてしまったのだ。


暗い部屋で二人はただ見つめ合う。甘い口付けさえすることなく、宗茂は清正の首筋に噛み付いた。
その頭を清正が殴り、宗茂の刃からは逃れたが噛み後から血がたらりと流れた。

宗茂はぺろりと舌なめずりをする。さも美味しいと云うように。
「清正素敵だ、素晴らしい」

「っ……!」

「こんなに美味しい血は初めてだ。極上の女も君には適わない」

「知るかっ……!」

血を拭うこともせず、清正はちっと舌打ちをする。後退りしてドアノブに手を当てたが、捻っても開くことはなかった。

宗茂はゆっくりと清正に近付く。清正の鼓動が高鳴った。壁と宗茂に挟まれると清正は弱々しい睨みを相手に向けた。

宗茂の舌が清正の首筋に這うように舐める。

「ひぃあっ…冷た…」

「美味しい…」

先程流れた血を宗茂はぺろりと舐め、恍惚の表情になる。そして首を振って嫌がる清正の首筋に牙を突き立てた。

「痛っあ!やめろっ、あ」






ここで正気に戻った
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リゼ