※嘘吐きカップル(宗清)
※関ヶ原?宗茂が死んでます。
俺は沢山の人を殺めた。
それは消せない真実。
俺はただ願った。
人を愛した事実が消えるように。
お前を愛したことは
俺にとっていらないものなのだと、
俺は知っていた。
「宗茂…」
死なないで、なんて言えない。言える訳がない。
生きて、俺は呟いた。
ただ 生きて
死んでも良い。殺されたって、俺は泣かない。唯生きてさえいてくれれば……
自分の中の矛盾に吐き気がした。
宗茂は赤にまみれていた。
真っ赤な真っ赤な林檎のように赤いものだから俺は思わず腹が減った。だから赤だらけのお前の指を手に取り、ぺろりと舐めた。口に広がる鉄の味は、決して美味いものではなかった。
「(生きて、って云ったのに)」
ほろほろ、流れてくる涙は、お前の赤と混じり合って不快な味に変わり。俺はその味に眉間に皺を寄せる。
「(殺されても泣かないって云ったのに)」
そう聞こえた。
しょうがないだろ、俺は嘘吐きなのだから。でも、お前も嘘吐きだからおあいこだな。二人とも嘘吐き。それでいいじゃないか。
「ごめん」
お前を愛した事実は変わらない。そして殺した事実だって変わらない。血だらけのお前はとても綺麗だよ、愛してる。
愛してた
だから俺とお前は嘘吐き同士仲良くできたんだなって、壊れた心臓で思った。
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