叶わない、から(※学パロ)(サコミツ前提清三・宗清) 1

※高校生ぐらいの設定
さこみつ←清




この気持ちの名前は、きっと




放課後の窓から見た夕日は、とても綺麗だった。昔三成や正則と見た夕日を思い出して、頬が緩んだ。少し赤く照らされた三成の方が、俺の能に鮮やかに残っているのは夕日よりも三成の方が綺麗だと思ったから。


叩かれた頬がじんじんと痛んだ。忘れたかった痛みは、まだ忘れられない。




『好きなんだ』


云ってしまった。

お前のせいだ。なんで教室に来たんだ、なんで忘れ物なんかしたんだ。したとしてもなんで今取りに来たんだ。

日誌を書くために俺は教室に一人でいた。そしてお前が来たんだ。なんで、来たんだ。


なんで少し頬を赤らめていたんだ、三成が教室に来た前に何があったんだ。なんで教えてくれない?言えないことか?そんなに…


気付いたら告白していた。

そして頬を叩かれた。

泣きながら三成は出ていった。



しなければ良かった、とは思わない。不思議と心が軽くなっているし、解放感に満たされた俺に涙はいらなかった。




だからこれは涙じゃない。



涙じゃない。


夕日がぼやけたようになっていく。そして俺はその場に崩れた。

「うぁっ…ああああああっ!!!!!!」




小さい頃泣き虫な俺は、いつも三成に抱き締められて頭を撫でられたらすぐに泣き止んだ。どんなに悲しくても、すぐに泣き止んで笑っていた。

『なんだ、もう泣き止んだのか』

『うん!三成が撫でてぎゅーってしてくれたらもう泣かない!』

『そうか…、じゃあ』





お前が泣いていたら
いつでも俺がぎゅってしてあげるから







今、俺泣いてるんだ。

ねえぎゅーってしてくれよ。

さみしいよ、涙が止まらないんだ。




「ひぐっ…く…」



なんで恋したんだろう。
ずっと一緒に居たかっただけなのに。

――…三成に届かない。
手を伸ばしても、
きっと届かない。





三成ごめんなさい。

「三成っ……」


好きになってごめんなさい。




家には戻れない。


…三成がいるから。



これ以上あいつを苦しめたくない。だから帰れない。

どうしたらいい。

俺の居場所がないんだ。


一瞬で無くなった俺の居場所。

当然のものがなくなった喪失感。身体が急に重くなる。


どうすれはいいかな

ねえ三成


俺はどうしたらいい…?
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