物語の終わり、オレと彼女とのはじまり。

ヤツらが通い始めるようになってから、初めての乱菊の休日が来た。

僕は朝から気が重かった。
せっかくの休みの日。
乱菊といちゃいちゃしたいのに、なんであいつらに邪魔されなあかんねん…。

今日は用事があるから来るなと言っておいたが、おそらく彼らはくるだろう。

もはやここは彼らの絶好の遊び場、暇つぶしの場と化していた。


「おーい、ギン、来てやったぞー!」
「お、お邪魔します…。」

ほんま邪魔や。
そう思うならくんなや。

「あらぁ!!これが噂の三人ね?こんにちは!」

………。

三人は固まってしまっている。

「待って。名前当ててあげる。キミがしゅーへー君で、れんじ君、きら君でしょ。ほんとそっくりねー。」
笑いを堪えられない様子だ。
ころころと笑っている。

「私、乱菊よ。松本乱菊。あ…。もう市丸か。

市丸乱菊なんてなんか変よね?」

僕に顔を向けて聞いてくるが、なんと答えればいいのだ。
乱菊は護廷では未だ松本の姓を名乗っている。
僕は反逆者なのだから当然だ。
市丸と自らを紹介するのは初めてなのだろう。
居心地悪そうに頬を染めている。


「…おい、ギン。ちょっと来いよ…。」
固まっていたしゅーへー君(笑)が僕を外へと無理やり連れ出す。

「なんやねん。」
「あれが、お前の、おおおおくさん、か?」

顔を真っ赤にしやがって生意気な。

「そや。言うたとおりの美人やろ。」
「ギン。なんでお前があんなきょにゅ…いや美人と結婚出来るんだよっ!!」

今巨乳言うたか?
今斬魄刀があったら射殺してるで。

「待てよ…?」
今まで黙っていた、煩いコンビの片割れが口を開いた。
「結婚しているということは、こいつあの巨乳を毎晩…っ!」
「なっなにを…////」
「ぶっ。」

ひとりは顔を真っ赤にし、もう一人は鼻血を出している。

「あーあーあー!!なんてこと言うとんねんエロ餓鬼!止めろ阿呆!100億万年早いわ!!!考えるな!」

「てことは、あの部屋で行われているわけ…
「だから止めろて!いい加減にせんと殴るで…。」

殺気を漂わせるが、
もう殴る前から鼻血で倒れそうになっているヤツがいる。

「しゅしゅうへい君大丈夫!?ギンさん!このままじゃ、しゅうへい君死んじゃうよ!」

こんなエロ餓鬼、このまま逝ってしまえばええんや…。

しかし仕方ないので部屋へと運ぶ。


「あら、鼻血?大丈夫?」

乱菊が顔など覗き込むから、遂に気を失ってしまったでは無いか。

「どうしたの、この子…?」
「…知らんわ。」




ーーーーーーーーー



オレは乱菊さんが休みの日は毎回一番乗りでこのアジトに来る。

ほんと世の中間違ってるぜ…。
なんでこんなキツネが乱菊さんみたいな美人と…。

でもヤツのおかげでこんな綺麗な人に出会えた。


あの人に会うと心臓が飛び出しそうなくらい緊張してうまく喋れなくなる。
「あああの、これ。お土産です!母ちゃんがいつもお世話になってるからって!!」

果物を手渡す。
ほんとは朝早く起きて山で探してきたんだけど、かっこわるい気がして嘘をついた。

「まぁ悪いわね。ありがと。」
そんなガチガチのオレの様子を見て、乱菊さんはにこやかに笑う。

それだけでオレの顔は情けなく緩んでしまう。

ギンは機嫌が悪いが、もうこればっかりはどうしようもないんだ。
それならこの心臓のバクバクを止める薬をくれよ。


「おう。しゅうへい今日も早いな!」
れんじときらも遅れてやってきた。

乱菊さんはオレの時と同じようにあいつらを迎える。
なんでだ、今度はチクチクする。
みぞおちのあたりになんか重いものがつかえてるみたいだ。

あいつらはオレみたいに赤くなりながらも、楽しく話をしている。

なんでオレには出来ねぇのに…。




「…言うとくけど、キミには100億万年早いからな。」
ギンが呟く。
また小言を言われるのかと思ったが、違かった。

「それ、病気やないから…。
正常や…。」

ギンの言う意味が分からなくてぽかんとしていると、「生意気やな、ほんま。」と言って乱菊さんの方へ行ってしまった。

オレはこの感情をどうすることも出来なくて、ただ乱菊さんを見つめる事しか出来なかった。



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