嘲笑と讚美を
君はつくづく甘い。
中途半端な人生さ。

しかし、それでこそ人間は面白い。
“完璧”ほどつまらないものは無いからね。

私が君に初めて出会ったのは、死神になる以前の事だったね。
いや、会ったとは言えないかな。
君が私の存在に初めて気付き、私が君を初めて認識した時だ。

私はあの視線を忘れないよ。
まだ霊圧、感情のコントロールすらうまく出来ない子供だ。
あの、水色が放つ真っ赤な復讐の色。

実に美しかった。


次に会った時には、「やっと来たか。」と思ったよ。

待ち遠しくて堪らなかった。
こんなに心踊る事はなかなか無い。

君の表情はすっかり変わっていた。
だけどその薄く開いた目の下は、初めて見たときと変わらない。

だがよく揺らぐのを見るよ。

揺らぐのはいつも彼女が関係する時だ。
分かりやすい事だ。

守ろうとしながらも、まったく隠せていないじゃないか。
必死さが滑稽だ。
一片の迷いもなくその手を汚せるというのに、その実、一途な人間だ。

可笑しくて仕方がないよ。

崩玉の研究で、あの下卑た醜い手下が盗ってきた魂魄が彼女のもので本当によかったよ。
そんな実にならない研究よりも、はるかに得難いものを手にいれた。

私には到底理解できない“特別な情”。
それに支配されて消えていく、愚かな君に敬意を表そう。

君は実に面白かった。




さようなら。


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