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はじめまして!ドクササコの凄腕忍者の部下、ド凄部下こと"白目"の○○です!

このモブキャラ中のモブキャラに産まれ変わって何年経つんですかね。
"生前"夕食前に見ていた大好きなアニメだったんですが、いざ戦国時代?室町時代?そんな時代ってアニメでも生き残るの大変だったんですよ。
ですね、何で私が"白目"に成り代わったことを知れたかというと、アレですよ…それこそ簡単な話し、白目だからですよね。それで気味悪がられて親にまで捨てられちゃいましてね。まぁ、それ仕方ないと思うんですよ。実際自分で見ても気持ち悪いって思いますもん。
…でも不思議なんですよね。白目なのに見えるですよね。何の障害もなく。寧ろ見えすぎて困るくらいなんです。

あ!すみません。話を戻しますとね。ほら、"白目"さんてモブチャラだから、"凄腕"さん的に名前ないじゃないですか。…カピバラみたいな名前の人もいるのに酷くないですか?
だから、とりあえず名前を聞かれたら前世の名を名乗ってはいるんですが…。結局"白目"ですよね。はい。
とりあえず!希望を捨てること無く原作でいつでも名前を頂けるように、悪い城だって分かってましたけど、ドクササコに就職しまして!忍者として凄腕な"凄腕"さんの足手まといに成らないよう日々頑張ってます!






…………

『〜〜ーー!頑張って忍び込めたのに!何故我々ドクササコと同じく忍術学園と敵対しているタソガレドキ組頭の貴方が私を捕まえるんですか!!』

「いやー。可愛い曲者がいるなーって思って。」


曲者は貴方もでしょーが!!

今日の私の任務である忍術学園の偵察を頑張っていたら、覗いてた塀からいきなり後ろから羽交い締めにされ、今、堂々と保健室にお邪魔しています!
これもそれも、私が忍術学園に行くと必ず現れるこの"曲者"のせいです!!知ってますよ!タソガレドキ軍忍組頭 雑渡昆奈門さんですよね!!ファンでした!!

しかしそれも"生前"までです!

明らかな実力の差は私も嫌というほど分かりますが!正しく子ども扱いなのは止めていただいたい!!!


『離してくださいーー!!』

「フフフン。君もプロ忍なら自分で何とかしてみてごらん。あーかわいいー。」

『!!!痛い痛いいぃ!!顎をスリスリしないでくださいー!!!』

何なんだこの人!!こんな人だったのか!?

この雑渡昆奈門と始めて出会ったのは実は戦場とかじゃない。あれは、たまの休暇で町を散策しながらゆっくり買い物を楽しんでいたときだ。休みといえば何故か凄腕さん重なることが多くて、心配性なのか子ども扱いなのか、滅多に1人で過ごすことなんてないんだけど。…ほら、凄腕さんてセカセカしてるっていうか…常に忍者してるっていうか…、そんなこんなで買い物なんてゆっくりできないんですよね。だからその日は心置きなく好きなもの見て好きなもの食べたりして楽しんでたんですね。
そしてですね。頭に巻いてる頭巾が傷んできたので次いでに新しく買おうと思って店に並んでいるものを見てたんです。
そのときですよ!!いつのも間か後ろに笠を深く被った"曲者"が立ってたんです!もう!!流石というかなんというか!!気配無く「やっ!」なんて言われたら魂ぬけちゃいますよね!!まぁこんな私でもプロ忍の端くれですから、そこは耐えましたけどね!!
そこから何が楽しいのか、君には此方の方が〜いやいやこっちかな?…なんて勝手に選びやがり始めたんです。

そこまでは良いです!きっと"曲者"の暇潰しなんでしょうからビクビクしながら時が経つのを待ってましたよ。しかしです!!事もあろうに今私が被っていた頭巾を何の躊躇もなく華麗に取りやがったんです!!
ええ!ええ!!気付かない私が悪いんですけどね!知ってますけどね!私だって"ただの黒髪"や"可愛い栗毛色"とかならそんなに焦ったりしませんよ!!
でもですね!!私!!"白目"と添いで実は髪の毛の白色なんですよ!!!目立つ目立つ!!!

案の定。白目だけで何処か気味悪いかっていた店主の息を詰まられた悲鳴が聞こえましてねぇ。"曲者"こと雑渡さんだって片目丸くして息のでましたし!いや、いんですよ。確かに気味悪いもんでしょうし。でもですよ!何が一番悲しいって!折角の休日1人町ブラがパーです!

もう、謝りながら取り敢えずその場から退散しましたよ。私、足には自信あるんです。

…なんて、私の自信なんてヘッですよね。町外れで何故か追いかけてきた曲者さんに捕まって森の川岸に下ろされました。

その後何故か謝られて先程雑渡さんが似合うと合わせてくれていた頭巾を数枚握らされました。…分かります?いらないと言ったのに"握らさられた"んです。
……まぁ、薄給ですから、ありがたく頂戴しましたけど。

でも!それからです!!事ある事に私を捕まえようとするようになったのは!!





「…はい。白目さん、雑渡さん。お茶をどうぞー。」

『!…いつもすみません。ありがとうございます。保健員さん達。』


…可愛い。本当に可愛いです忍たま。そしていい子!

私も曲者なのに毎回もてなしてくれる優しい忍たまの子ども達。特に下級生は本当に可愛らしいです!癒しです!!

思わず雑渡さんの膝にいることも忘れるほどの癒しに顔が緩んだら、目の前でお茶を差し出してくれた子達の顔が赤くてなりました。


「!ほわぁ…!スリル〜!」

「白目さん笑うとまた印象違いますよねー。」


『?なにがですか??』

印象?



「「とっても可愛いいです!!」」


!!!

『!!?ッええーーーー!!!?』

顔色の悪さがチャームポイントの伏木蔵くんと丸眼鏡が可愛い乱太郎くんの言葉に思わずこっちも顔が燃えました。

かかかかか可愛いだなんて!!
可愛い子に可愛いと言われと…!なんだかとってと恥ずかしいです!!


「…確かに、なんだか"ふにゃ"って感じで…凄く可愛いです。」

『!!!善法寺くんまで…ッ。』


「そうそう。白目くんはホントに可愛いーよね。」


『!!!?ヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァ!!!』

腰に手を回され背中を思いっきりスリスリされる。

忘れてました!!いい加減離せ曲者ーーー!!!!


「ねぇー。白目くーん今日こそ一緒にタソガレドキに帰ろうよー。」

『嫌です!無理です!怖いです!!ぅわああああ!!!装束に手を入れないでくださいぃ!!』

「ん〜。柔らかさも私好みー。」


『!!?ふぎゃああああああ!!!』


もうこの人嫌だぁあああ!!!






「……こなもんさんてホントに白目さん好きですねー。」

逃げようとしても益々力が強くなる一方で、床に張りつくばっている私の心情とは真逆な声色で唐突に尋ねる伏木蔵くん。

無垢な質問に涙が出そうになるけどね伏木臓くん。これは好きとは違うんだよ。これは単なる強者が弱者で遊んでいる所謂暇潰しというやつなのですよ!!


…そう思って睨んでやると、曲者は予想外の顔をしていました。


「………好き…?」

『?』

何なんですかその顔。

…あ!あれです、私の髪を見たときの顔と似てますね。


「はい!白目さんが来ると敵同士なのにずーっとくっついてますし、とっても嬉しそうです。」

「そうそう。それに、なんていうか…凄くウットリしてますよね!」


『???』

………何言ってるんですか?保健員さん達。


「……うっとり?」

自分でも自覚していなかったように首を傾げる雑渡昆奈門に、その場にいた保健員さん全員が大きく頷いた。

「確かに乱太郎の言う通り"うっとり"っていう言葉が適切だね。…凄く綺麗ものを見てる人の顔ですよ。」

「……………綺麗………。」


『????はい???』

…………はい?

ちょっと話が上手く纏まりません。
凄腕さんに怒られそうですが、意味が分からないんです。


しかし!何やらモンモンと考える始め力が緩んだらその隙に抜け出すことに成功しました!

もしかして!保健員さん達"これ"を見越して!!

ありがとうございます!!
距離をとります!善法寺くん、背後失礼します!!

本当は天井に逃げてこのまま退散したいところですが、今日は日頃お世話に成りすぎている保健員さん達のお手伝いをするとも約束しているんです!

何やら考える込んでる隙にお手伝いの内容を聞かなくては

『あ…あの、善法寺くん今日は…

スパーーーン!!!

「白目ーーー!!!!ここかーー!!!」

『!!!!???お頭!!!?』

何故ここにぃいいいいいい!!!??

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