すべては君を


ヴォルガー乗っ取り後の彩花様+蜜歌+氷魚
原作激しく捏造です。
まだ蜜歌は喉にスピーカーとか取り付けてない設定。



「お二人はいつまでその服を着ていらっしゃるんですか?」

大きな部屋でソファーに座って氷魚と次の仕事について話している時、唐突にそんなことを尋ねられ、彩花と蜜歌は自分の着ている服を見る。

チャイナ服の短い版みたいなシャツと七分のズボンにブーツ。
つい最近まで自分達が所属していた組織の制服である。
もう乗っ取ってしまったのだから自分達の組織なのだけど。


「ああ、失念してました」
「別に気にしてなかったもんね?」

呑気に答える二人に氷魚は呆れてしまった。
もっとも、そんなことを口に出したら殺されるだろうからしないけどね

「もし良ければ、今度日本に行くので何か買ってきましょうか?」

にこにこしながら提案する。
服は個性を決める大事なものなのだし、姉さんに服を送るついでなのだから手間はかからない。
買うとしたら自分のセンスでいいものを買うつもりだし。


「彩花、お願いしてみる?」
「…そうですね。じゃあよろしくお願いします、氷魚」



それから一週間後に氷魚がたくさんの紙袋を手にさげ、顔が輝かせながら任務から帰ってきた。


「ただ今戻りました!彩花様!彩花様にはこれを!」
氷魚はかなりはりきって、長い紙袋に包まれた服を取り出して彩花に渡す。

開けてみるとそこには着物が入っていた。
質がかなりよいものだと一目でわかった。
でも、

…何で着物。

蜜歌を見ると、丈の長い洋服を広げて体に押し当てて氷魚とはしゃいでいた。

「彩花、着てみない?」
「…そうですね」

蜜歌に誘われ着物に袖を通す。
見たことしかなく、着たことは皆無だったが、何とか着ることができた。

「彩花似合うー!」
「僕も彩花様には着物が似合うと思ったんですよねー」
うんうん、と満足そうにうなづく氷魚。
紫紺色の着物が紫の長い髪に合っている。

氷魚のセンスは見た目よりもいいらしかった。

「蜜歌もよく似合ってますよ」
彩花がそう言うと、てへへ、と蜜歌が赤くなって照れていた。

着物、日本といって連想するのは、忌ま忌ましいWSと、誰よりも大好きで、自分だけのものだっためぇの思い出だけだ。

「彩花様、また日本に行ったら違うものを買ってきますね」
満面の笑顔でそう言う氷魚。

「ええ、お願いします」

長く伸びた髪を白い紐で結びながら、艶やかに、微笑えんだ。



これもめぇを忘れないために――






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彩花様の着物は氷魚が日本から買ってきたとかだったら……と妄想したやつです。
そしてめぇに結び付けてたらなぁと。


彩雨大好きすぎます(´∀`)

3/2
リゼ