蜜歌委員長の苦難/1


「はーい、みんなさっさと席に着いちゃって下さーい。話し合い始めますよー」
学級委員の蜜歌の声で、ざわついていたクラスが落ち着きを取り戻す。

なんて言ったって今日は大事な話し合いがあるせいだ。

「ん、じゃあみんな居るみたいだし?グループ写真の班分け始めます。……えー、じゃあ面倒臭いから黒板に出て来て名前書いちゃってー。ちなみに四人ずつね」

あ、と声を漏らしたのが数名。
このクラスのメンバーは皆それぞれに独占欲の強い奴らばっかりなのだ。
そんなテキトーな事を言ってたんじゃあ一気に黒板の前に皆がなだれ込み、混乱&白チョーク取り合戦が始まるに決まっているというのに。

果たして、その数名の予想は現実のものとなる。

「あー、あの馬鹿…」

「大体誰よ、あの馬鹿を委員長に推薦したやつは」

「皆面倒臭いから立候補した奴に異論はないだろ…つまり皆だよ」

「……このクラスの先が思いやられます」

その言葉にうんうん、と肯定はしたが、このクラスでは誰が委員をしてもあまり大差ないということには誰も気づかなかった。
リゼ