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指だけ、そっと【風間×沖田】
月が綺麗だ、と君は微笑んだ。
普段は冷酷で俺様な婚活鬼のくせに。この笑顔と口説き文句は反則すぎる。
真夜中に新選組の屯所を飛び出して、敵といっても過言ではない風間千景と会っているなんて...土方さんに見つかったら切腹だ。いや、土方さんだけじゃなく、はじめくんも佐之さんも許さないだろう。
でも僕は武士だ。いつ命を落とすかわからない。「また明日、会おう」と誓えない。明日もしかしたら死ぬかもしれないんだから...。
その分会わないと、僕も千景も不安で仕方ないし、残り少ない時間を一緒に過ごしたい。僕達は、大きな壁に陰ながら立ち向かっている恋人同士なんだもん。
桜の幹にもたれかかるようにして並んで座る僕達に、丸くて大きい満月が眩しいほどの光を照らす。懐から金平糖を取り出して一粒口に含めば千景がそれを見かねたように僕に口付けをしてくる。
「むぅ...僕の金平糖なのに...」
「ふっ。お前のモノは、全て俺のモノだ」
ドヤ顔をして千景は僕の口から奪った金平糖を見せつけてくる。大事な大事な金平糖なのに。僕はもう二粒ほど取り出してポイッと自分の口の中に放り込んだ。
「総司は本当に愛らしいな」
「ふぇ?」
「他の奴ならば、意地でも奪い返すだろう」
「......きみ、ほんと嫌いだよ」
確かに金平糖は僕の全てだ。何度も平助とかに食べられそうになったけど、その時は意地でも吐かせた。千景にはあげられるのは...僕がそれほど千景にどっぷり惚れているから。
こんなこと言ってあげないけどね。
「それも含めて、俺は総司を愛しているぞ」
月を見ながら微笑む千景の横顔は、すごく綺麗だった。
その返事も込めて、僕も月を見ながら地面に垂れている千景の指に、自分の手を近づける。
指先が触れ、千景に握り返されるまであと少し...
END
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