願わくは貴方と共に【42】
そして放課後
何も知らない左之助は、すっきりとしない気分を抱きながら小テストの採点をしていた。
(あ…斎藤、100点か。っーか、めちゃくちゃ睨まれてたよな…)
ガシガシと頭を掻き乱しながら、はぁぁっと溜め息をついた。
(どうすりゃいいんだよ…)
「失礼しまーす。」
ガラリと職員室の扉を開け、のんびりとした様子で総司が入ってきた。
「ねぇ、土方さん、千鶴ちゃん何処にいるか知らない?」
「お前、先生を付けろ、先生を。千鶴は中学生だろうが、知らねぇよ。」
怠そうに顔を上げた土方は、呆れたように溜め息をついた。
「今日、千鶴ちゃん、放課後に此処に来るはずなんだけど…何処にもいないんだよねぇ。」
「…携帯は?」
「一君が何度も連絡してるんだけど、音沙汰なし。」
ひょいっと肩を竦める総司に土方は眉を寄せると、チラリと左之助を見遣る。
「千鶴が斎藤からの連絡を無視するとは考えられねぇな…」
「…あの勘違い男に絡まれてなければいいんですけどねぇ…」
「何らかに巻き込まれてる可能性はあるな。」
ガタッ
大きな音を立て脇目を振らず職員室を駆け出していく左之助の姿を見送り、総司と土方はニタリと笑みを浮かべた。
「左之さんも、素直じゃないねぇ。」
「ふ……血相変えて探しに行ったんだ、素直だろうよ。」
楽しげな笑い声が職員室に響いた。
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そういや、他の先生ってどうなってるんだろうか(笑)
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