願わくは貴方と共に【23】
夜も更け薄暗い部屋の中、ベッドに俯せになりながら朔はテーブルランプの頼りない明かりの下で携帯を開きカチカチと音を立てメールを打つ。
「あっ……!」
いきなり横から伸びてきた腕に引き寄せられ、驚き声を上げると腕の持ち主を見遣る。
「…随分と元気だな。」
気怠げな雰囲気を醸し出しながら、腕の中に収めた恋人を見遣る。
そんな土方の様子にくすりと笑うと、もう用は済んだ携帯を置き土方の胸元に擦り寄る。
「そうでもありませんよ?お蔭様で、立つ気にはなれませんから。」
そう言ってにこりと笑った朔は、気まずそうな表情を浮かべた土方にぎゅっと抱き着いた。
先程までの行為の名残で、お互いまだ何も身につけておらず、直に温もりを感じていた。
「左之の事なんですが……」
そう言って言いづらそうに口ごもる朔に疑問を持ちながらも、ポンポンと髪を撫でてやり「左之がどうした?」と先を促す。
「強引に千鶴の護衛を頼みましたが、左之本人の様子はどうでしょうか。……面倒そうだったり、迷惑そうな感じは…」
不安げに見てくる様子に、苦笑を浮かべると宥めるように額に軽くキスをする。
「最初は戸惑ってたのは確かだが、今は楽しそうだぞ。チラチラと時計を見ては時間になったら直ぐに出ていくし、面倒とかは思ってねぇだろ。」
「そうですか…」
ホッと力を抜き笑みを浮かべる朔に、ニヤリと笑うとクルリと体を反転させ朔に覆いかぶさる様な体勢をとる。
「…あの、土方さん?」
「いくら仲間でも、他の男を気にするのは面白くねぇな。」
「は…?」
きょとんと土方を見返すが、土方の手が妖しく身体に触れ出すのにビクリと肩を震わせる。
「あんま俺以外の男に気をやるんじゃねぇよ。」
「……はい」
ニヤリと笑う土方に、ほわりと見惚れコクリと頷き、そのまま身を任せた。
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