ハッピーハロウィン【2】
「………。」
情けない。
今の自分の姿を見て、ため息しか出てこない。
膝上の妙にフワフワとしたスカート。しかもスカートのみならず、いたるとこらにあるレースのフリル。胸元には、リボンが飾られている。
太もも辺りまで長さがある靴下を履いてるが、スカートの長さが足りないのは隠しようがない。
カツラを被っているせいで、髪が背中の中ぐらいまであるのも、うっとおしい。
ため息をつきつつ、斎藤は一人廊下を歩いていた。
今日は授業はなく、一日ハロウィンパーティーやらが続くため、いろんな所から騒ぎ声が響く。
平助と総司は、お菓子をもらいに(一人は悪戯しに)既にいっているため傍にいない。
本来ならば自分も、ある程度は参加せねばと思うのだが、格好が格好のため、どうも気が進まない。
-ドンッ
「っ……。」
俯いて歩いていたせいで、前から来た人物とぶつかってしまった。
しかも、弾みで転びそうになったのを支えてくれたのか、相手に抱き着くような形になってしまった。
「大丈夫か?」
「はい…っ、土方先生?」
上から降ってきた、聞き慣れた声に驚き顔を上げると、苦笑を浮かべた見慣れない姿の土方に思わず呆然と見つめてしまった。
普段は、スーツを隙なく着こなしている土方が着ているのは、黒いロンゲドレスにショールを肩に巻き、腰まであるストレートロングのウイッグと黒い尖んがり帽子を被っている。
いわゆる、魔女の格好である。
元々、顔立ちが綺麗に整ってるのもあり、美女と言う言葉がそのまま当て嵌まっている姿であった。
「おい、大丈夫か?斎藤。」
「あ…はい。すみません、考え事をしてまして…ご迷惑おかけしました。」
ついつい斎藤は土方に見惚れてしまい、今だ抱きしめられたままの体勢に気づかずにいた。
「随分と可愛らしい格好だったから、一瞬気づかなかったぜ。」
そういって土方は、抱きしめていた体を離し、マジマジと見てくる。
「…///ひ、土方先生こそ、とてもお綺麗です。」
「あ〜…ありがとな。」
複雑そうな表情を浮かべつつ、斎藤の頭を撫でると、何が悪戯を思いついたような笑みを浮かべる。
「斎藤。」
ぐいっと斎藤を引き寄せると、
「Trick or Treat」
そう囁くと、きょとんと見上げている斎藤の唇にキスをする。
「あ…」
そう言われても、斎藤は菓子を持ってない。おろおろと土方を見つめるしかない。
「菓子がねぇなら、悪戯するしかねぇよな。」
にやりと笑うと、今度は軽く重ねるだけのキスではなく舌を絡ませてきた。
「んっ・・・はぁ・・」
クチュ
と音をたて、唇を離せば銀糸が二人の間を繋いだ。
土方に支えられて立っている斎藤は、顔を赤く染めつつも自分からぎゅっと抱きつく。
「俺は・・菓子を持っていません。ですから・・
もっと悪戯してください。」
END
もう無理。ただ、斎藤さんに「もっと悪戯してください」って言わせたいだけだったのに、長くなりすぎた。支離滅裂な文ですんまそん。
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